川田・安部日鋼・三立特定建設工事共同企業体 様

施工中の安全確保(設計計算の妥当性確認含む)のため計測業務を導入
-下郷大橋(アーチ橋)架設に必須だった計測業務とは?-

国道118号(仮称)下郷大橋上部工事

川田建設:虎本所長(以下敬称略)

調査概要

下郷大橋上部工事のアーチ部架設中の安全確保(設計計算の妥当性確認含む)を目的として、温度計・荷重計・傾斜計・ひずみ計などを用いて計測業務を行いました。(以下計測業務とする。)

ご依頼の決めて

川田建設 東京支店 技術部 担当部長 高橋様
本現場で行う計測業務の項目をすべて網羅しクラウド管理ができる点で依頼を決めました。
当時はまだ、一部の項目はデータロガーで計測、一部はクラウド管理など一括クラウド管理ができるシステムが少なかったです。現在ではクラウド管理が当たり前ですがね…(笑)

川田・安部日鋼・三立特定建設工事共同企業体 虎本所長インタビュー

Q.ご依頼いただいた経緯を教えていただけますか?

DK:まずは本現場の入札参加時に川田建設様が全自動平板載荷装置DK-PZX200(NETIS登録:KT-100031)を技術提案書に入れたいとご連絡いただきました。そのお打合せの中で、「こんな計測業務があるけどDKさんできる?」とご相談いただいたのがきっかけです。ご落札後改めて計測業務のお打合せ、機器の設置・撤去を行いました。
虎本:アーチ橋のアーチ部分を構築するために計測業務が必要でした。今はアーチ部分が完成しているため計測業務は終わっています。

Q. 虎本様は本現場で初めてのお取引だと伺いました。

虎本:はい。今回現場に入ってから、ご挨拶いたしました。
DK:ありがとうございます。

Q.実際にお取引していかがでしたか?

虎本: 計測業務は必ず施工と平行作業になります。そのため現場作業の中での調整はうまくやっていただいたと思います。計測する機器が多く配線も無数にあるので対応していただき助かりました。設置撤去まで継続してもらえるし、問い合わせれば対応してもらえるそういうかたちでないと、今回現場はお願いできませんでした。レスポンス含め対応は良かったです。
その他、急遽お願いした貫入試験なども対応していただき助かりました。

アーチ部架設の様子

Q. 本現場の計測業務で特に気にしていた点はございますか?
虎本支間200mのアーチ部分を両岸から移動作業車を用いてブロック施工する工法です。(1ブロックあたり4m~6m)
両岸から片張り出しで施工するため、アーチ部分が閉合するまで、PC鋼材で斜吊りする必要がありました。張り出し架設中に斜吊り材を増設しながらの施工であるため構造系が変化するのが特徴です。
施工する過程で構造が刻々と変化します。そのため設計検討ステップも細かく行っていますが、施工では設計ステップ間の形状の変位や応力度の変化の過程で、閾値を超えてしまう恐れがあります。そのため、設計検討ステップ間の形状や応力度の変化を監視しながら施工し、斜吊り材(PC鋼材)の張力調整を行い、形状の変位と部材の応力度を調整しながら施工する必要がありました。また、施工途中の形状の変位や発生応力度は完成時にも影響しますので、下郷大橋(アーチ橋)架設には計測業務が必要不可欠でした。

Q. 本現場に限らず、上部工の現場では計測業務は必須なのでしょうか?
虎本いいえ。アーチ橋の現場は全国にたくさんあるのですが、アーチ橋の現場の中でも本現場は特殊な工法のため計測業務が必須ということです。

Q. どこに、何の計測器を設置していましたか?

虎本:アーチ部の起点に応力計が入っています。斜材には傾斜計・荷重計を入れ、斜材で引っ張っているのでその安全を確認するために荷重計が入っています。ピロンと呼ばれる塔は剛結構造なので傾斜計で変位を計測しています。メラン材にも温度計と応力計が入っています。アーチ部の起点と真ん中。左右のバランスを考えなければならないので、一つ一つに入れています。

Q. 本当に計測する項目も数量も多いですね

虎本:そうなんです。これでも最低限の数量なんですよ。(笑)

Q. 計測画面は見やすかったですか?

虎本:実際の画面は担当者が見ていましたが、見やすかったと思います。私はスマートフォンで確認していました。施工中はもちろんですが、構造の特性上気温で変位するところがあります。変位にともなって応力度が変わってくるので構造物にかかる力も変わってきます。都度、監視しながらポイントとなるところを見ることができました。
以前他のアーチ橋現場でも計測を行っていましたが、その時はデータロガーだったため計測する人を計測機器のそばに配置して無線でやり取りを行っていました。
今回は計測をする人はいらなかったですし、常にスマートフォンに結果が表示されていました。また複数箇所を同時に見なくてはいけなかったので、いつでも手元で確認できることがとても管理しやすかったです。

Q. 計測の閾値はどのように決めていましたか?

虎本:事前に発注者と打合せをしながら閾値を決めて、この値なら黄色信号、ここからは赤信号ですよと決めて施工しました。

Q. 最後に今後当社に期待することやご要望をお聞かせください

虎本:最近ではデジタル技術を使った生産性向上が政策的にも求められていますよね。なので生産性を上げるような取組に期待しています。

本日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

土木管理総合試験所では計測業務を承っております。
現場でお打合せからご提案、機器の設置撤去まで対応致します。まずはご相談ください。

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