リフラクトリーセラミックファイバー(RCF)分析

リフラクトリーセラミックファイバーとは

 リフラクトリーセラミックファイバー(以下、RCF)とは、非晶質のセラミックでできた人工的な繊維で主成分はアルミナ(Al2O3)とケイ酸(SiO2)でできています。

 日本での生産量は年間約1.2~1.8万トンです。

用途は?

 耐熱温度は1000~1500℃と高いため、特に高温となる部位の断熱材として利用されています。

炉のライニング材、防火壁保護材、高温用ガスケット・シール材、タービン、絶縁保護材、伸縮継手への耐熱性充填材、炉の絶縁材、熱遮蔽板、耐熱材、炉・溶接+溶接場のカーテン等

有害性は?

 セラミックファイバーは発がん性のある天然鉱物繊維である石綿の代替材料として使用されていますが、その中でRCFは繊維径が比較的細いことから発がん性が疑われています。

 吸入による発がん性の可能性があるとしてIARC(国際がん研究機関)グループ2B(人に対する発がんの可能性がある)に位置付けられています。このため、日本では平成27年11月より特定化学物質に追加されています。

RCF実体顕微鏡写真(50倍)

作業環境測定について

 平成27年11月1日から労働安全衛生法に基づく特定化学物質予防規則(特化則)の一部改正により、表示対象物・特定化学物質の管理第2類物質に追加されました。

 このためRCF等を製造・取り扱う屋内作業場では、作業環境測定とその評価、結果に応じた適切な改善を行うことが必要です。

○6か月以内に1回、作業環境測定士(1号粉じんの資格を持つ第一種作業環境測定士が実施)
○測定および評価の記録は30年間保存


物質名
管理濃度
試料採取方法
分析方法
リフラクトリーセラミックファイバー

0.3 f/cm3

ろ過補修方法
位相差顕微鏡を用いた計数法
※5μm以上の繊維

 
 測定方法はアスベストと同様の「ろ過捕集」であり、分析は「位相差顕微鏡を用いた計数方法」になります。長さ5μm以上、幅3μm未満、アスペクト比3以上の繊維を計数します。

 なお、通常の計数法ではRCFだけではなく、その他の繊維も計数されるため、計数値が0.3本/cm3を超過した場合は、分散染色法を用いてRCFを特定して計数することが必要になります。

含有判定分析(定性分析)

 ライニング材、ガスケット、耐熱材等にRCFが含有しているかどうか検査する方法としてJIS等で定められた方法がない状況です。

 当社ではRCFが含有しているかどうか確認する手法として試料中に繊維状粒子が存在するかどうか確認し、分散染色法やSEM-EDS等を用いてRCF含有の有無を判定します。

RCF分散染色写真(浸液1.550)(100倍)

RCF分散染色写真(浸液1.700)(100倍)

参考:ロックウール分散染色写真(浸液1.550)(100倍)


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