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【ブログ】大人気!『地下神殿』首都圏外郭放水路の見学会に行ってきた!

埼玉県春日部市、国道16号の地下約50mに、水害から首都圏を守る防災施設があることをご存知でしょうか?

その名も、「首都圏外郭放水路」
全長6.3kmにもおよぶ世界最大級の地下放水路です。

首都圏外郭放水路は、その大きな治水効果に加え、巨大な柱が立ち並ぶ壮大な雰囲気がパルテノン神殿を彷彿とさせることから「防災地下神殿」と称され注目されています。

今回は、私たちのまちを守る地下神殿、首都圏外郭放水路をご紹介します!

首都圏外郭放水路とは?

背景▷中川・綾瀬川流域の浸水被害

この施設がある中川・綾瀬川流域は、利根川、江戸川、荒川という大きな河川に囲まれ、水がたまりやすいお皿のような地形になっています。
河川の勾配が緩やかで水が流れにくいということもあり、大雨が降るたびに洪水が起こり、深刻な浸水被害に悩まされてきました。
そこで水害からまちを守るための「中川・綾瀬川総合治水対策」の柱として首都圏外郭放水路が建設されました。

役割▷中小河川の洪水の一部を江戸川へ

世界最大級の地下放水路とは言いますが、この施設にはどのような役割があるのでしょうか?


出典:江戸川河川事務所ホームページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00402.html)

首都圏外郭放水路の役割は、中川、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川といった中小河川から溢れた水を地下に取り込み、ゆとりのある江戸川へと流すことです。
この施設の稼働により、中川・綾瀬川流域の浸水被害は大幅に減少しました。

施設に水を取り込むのは年平均7回程度。
これまでに135回稼働しており、最近では2021年12月1日にも稼働しています。
また、排水の最高記録は2015年9月の台風17号、18号の際の約1900万㎥だそうです。
その量、なんと東京ドーム約15杯分!

首都圏外郭放水路が流域の治水になくてはならない存在であることがわかります。

構成▷様々な機能を持つ主要施設

首都圏外郭放水路は、主に以下のような施設で構成されています。


出典:江戸川河川事務所ホームページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00402.html)

「立坑」
各中小河川から洪水を地下に取り入れます。第1立坑から第5立坑まであります。

「トンネル」
取り込んだ洪水を流す地下河川の役割を持ちます。全長6.3kmあり、地下約50mを貫いています。

「調圧水槽」
トンネルから流れてきた水の勢いを弱めたり、ポンプの緊急停止時に水圧の調節を行ったりする巨大水槽です。

「排水機場」
流れてきた水をポンプで江戸川へ排水します。また、中央操作室があり、施設全体をコントロールする役割もあります。

建設▷工期13年のビッグプロジェクト

この巨大地下施設の建設は、最先端の土木技術を集結させ、1993年に始まりました。
その後、第3立坑から排水機場までの3.3kmの区間が先に完成。
早期に効果を発揮するため、2002年にその区間の運用が開始されました。
全区間が完成したのは2006年です。実に、13年の歳月をかけたビッグプロジェクトでした。

全4コースの見学会があります!

さて、水害からまちを守る「首都圏外郭放水路」についてご理解いただけたでしょうか?
日本が世界に誇る防災施設、とても魅力的ですよね。

そこで、なんと実際に施設に入れる(!)見学会が全4コース用意されています。

コース名
定員
所要時間
参加料金
気軽に参加できる!地下神殿コース
50名
約55分
1,000円
深部を探る!ポンプ堪能コース
20名
約100分
2,500円
迫力満点!立坑体験コース
20名
約110分
3,000円
見どころ満載!インペラ探検コース
20名
約110分
4,000円


映画やドラマのロケ地になっていることもあり、見学会は大人気!
ほぼ毎日開催されており、WEBサイトもしくは電話にて予約することが出来ます。
完全予約制となっているため、予約を忘れないようにお気を付けください。

見学会について詳しくは公式WEBサイトをご参照ください。

見学会に行ってきました!

普段は地下にあって目にすることはない首都圏外郭放水路。
実際に見られるなら是非見てみたい!ということで、私も見学会に参加してきました。

今回参加したのは「迫力満点!立坑体験コース」
見学会の様子をご紹介します。

龍Q館から見学会スタート

庄和排水機場内には、地底探検ミュージアム「龍Q館」があります。
この龍Q館の1階で見学会の受付をします。

時間になると、同じく龍Q館の2階にある展示室のパネルや模型を使用しながら、施設の役割や仕組み、作られた経緯などを係の方がわかりやすく説明してくださいました。

展示室の中から中央操作室を見ることもできます。
ここでは約30個のモニターで施設を監視しています。
また、首都圏外郭放水路の頭脳として、稼働時には施設全体をコントロールします。

まさに地下神殿!な調圧水槽へ

展示室で施設について理解を深めたあとは、ついに地下神殿「調圧水槽」の見学へ。

龍Q館を出て少し歩いたところに、調圧水槽へと繋がる階段の入口があります。
116段(ビル5~6階分!)の階段を下りると・・・

想像よりもさらに巨大な空間、林立する柱。
まるで異世界に来たような、壮観な光景が広がっていました!
この場所こそが、首都圏外郭放水路が地下神殿と呼ばれる所以です。

調圧水槽は、長さ177m、幅78m、高さ18mの巨大水槽です。
その中に59本ある柱は、1本につき幅2m、長さ7m、高さ18m、重さ約500tで、調圧水槽が地下水からの浮力で浮き上がるのを防いでいます。

水槽内の柱を見ると、「定常運転水位」「ポンプ停止水位」と書いてあるのがわかります。
水が定常運転水位を超えないようにポンプの運転を調節しながら稼働させます。
水位がポンプと同じ高さであるポンプ停止位置まで下がると、空運転になってしまうため運転を止めるそうです。
また、柱の色が変わっていることから、どこまで水が溜まったのかを知ることができます。

見学時は綺麗な水槽内ですが、稼働させると水と一緒に流れてきた泥が残ります。
水槽全体の泥の清掃は、年に1度ブルドーザーを搬入して行っているそうです。

ブルドーザーの搬入はなんと上から。
この日は雨が降っていたので、水槽天井の開口部の隙間から雨水がぽたぽたと落ちてきており、地上に繋がっていることがわかりやすくなっていました。

ブルドーザーが、奥に見えている第1立坑に落下するのを防ぐ車止めもあります。

ただ、ブルドーザーが入るのは年に1回ですが、見学会はほぼ毎日開催されています。
見学に使用する範囲に関しては、なんと人の手で(!)綺麗にしてくださっているとのことです。
おかげで泥もなく、安全に見学ができるんですね。

深さ70m!大迫力の第1立坑へ

次は調圧水槽内からも見えていた第1立坑の見学へ。
第1立坑に入るには入口が異なるので、先ほど下りてきた116段の階段を上って1度地上に上がります。

第1立坑へ繋がる階段の入口です。
入ったところでヘルメットとハーネスを装着。
​​​​​​​準備が出来たら係の人の後から階段を下りていきます。

第1立坑は、5つある立坑のうち唯一流入施設を持っていない立坑です。
その他の各立坑から取り込まれ、トンネルを流れてきた水を調圧水槽に送り込む役割を持っています。
深さが約70m、直径が約30mあり、スペースシャトルや自由の女神像がすっぽりと入ってしまうような大きさだそう。
階段から下を覗き込むとその大きさに圧倒されます。

階段と壁を見ると、ここでも色の違いでどこまで水が溜まったのかを知ることが出来ます。
ちょうど階段の色が変わっているあたりまで下りることが出来ました。
ここがビューポイントになっており、写真を撮影することが出来ます。

先ほど見学した調圧水槽も見えています。

次に、立坑内上部に設置されている作業用通路(キャットウォーク)をぐるりと一周することが出来ます。
角度を変えながら見るため、調圧水槽が見えたり、トンネルが見えたりと様々な発見がありました。

ちなみに、流入施設には除塵スクリーンが設置されていますが、小さな魚がそこを潜り抜けて立坑内にいるということもあるようです。

一周歩き終えたらヘルメットとハーネスを返却して、見学会「迫力満点!立坑体験コース」は終了となります。

首都圏外郭放水路まとめ

首都圏外郭放水路の美しさは、その壮大な見た目だけでなく、大きな治水効果を生み出すという機能美にもあると感じました。
地下にあるため普段は見えませんが、私たちのまちを守る大切なインフラ施設です。

見学会では、実際に施設を見ることで、日本が世界に誇る防災システムや高い技術力を体感することが出来ます。
とても貴重な体験で勉強になったので、皆様も是非参加してみてください!

DKの防災

当社でも、防災に関わる試験・調査を行っていますので、最後にご紹介します。

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詳しくは下記リンクからご覧ください。

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光本 榛名
光本 榛名
部署:マーケティング部

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