長野県 小県郡 青木村 様

長野県 小県郡 青木村様インタビュー

RSVを用いた青木村村道路面調査報告

青木村の概要

人口:4,221人 世帯数:1,720世帯 総面積:57.10k㎡(令和4年3月31日現在)

青木村HPより引用


青木村は長野県の東部、上田市から西方約12kmに位置し、面積は57.10k㎡あります。
南に夫神岳(1,250m)、北に子檀嶺岳(1,223m)、西には十観山(1,284m)がそびえ、美しい山々に囲まれた農山村です。
また東京急行電鉄(現:東急株式会社)の創業に関わりが深い五島慶太氏(ごとうけいた)の出身地でもあります。

調査概要

RSV(ロードスキャンビークル)を用いた、路面下空洞調査、床版劣化調査、路面性状調査の実施をしました。

RSV(ロード・スキャン・ビークル)の外観

長野県 小県郡 青木村様インタビュー

土木管理総合試験所(以下、DK)の報告書をご覧になった北村村長と建設農林課の皆様からコメントをいただきましたのでご紹介します。

Q.報告書をご覧になっていかがでしたか?

北村村長:私は元々土木の出身でもありますので良く承知しております。元々は水道が課題でした。それとともに道路、橋の長寿命化をするにはどうすれば良いか?といった状況ですが「壊れたから直すではいけない」と計画的に行っています。
「なんでこんなにクラックが入るのか?」と道路を不思議に見ていると亀裂がどんどん広がっていくなんて事もありましたし、なんとか長寿命化するアスファルトは無いものかと考えていました。
村道は寒さのせいなのか傷みも激しいです。しかしながら国道のフィニッシャー(アスファルト舗装重機)を見ていると、ちゃんと舗装されて
も村道と同じ症状が出ていますので、青木村の村道だけの問題ではないと思います。
過去の工事の経歴は道路台帳に無いですし、傷んだら直すしかありません。今回、細かいデータを拝見したうえで、このような事を計画的に行えば、表面(舗装)と中身(地下)の補修ができると思います。
住民の方からのご要望にはルールがございまして、区から要望を頂いています。道路だけではなく、用水、配水といった水関係のご要望が多いです。あとは積雪の日陰になる雪害対策なども頂きます。
DK:舗装であれば「どの道路から補修した方がいいです」と優先順位のご提案をいたしますので、参考にして頂ければと思います。
北村村長:よろしくお願いします。

Q. 試行導入された背景を教えて下さい。

建設農林課:以前、土地開発のボーリング調査を御社に入って頂いて、私も担当で知っていたので、「土木管理さんなら知っているし間違いないから連絡してみるか」というのがキッカケです。
どの程度やって頂けるかと思っていましたが、結果的には膨大な調査結果を書類で頂いたので、非常にありがたく思っておりますし、ぜひ活用したと思います。

DK:ありがとうございます。

Q.道路のパトロールはどれくらいの頻度で行っていますか

建設農林課: 普段抱えている現場を抜きにすると週1回程度ですが、時期的に大雨の後などは時間を割いて行っています。
道路に限らず、12の区から様々な要望事項を受け、区の役員さんのご案内で、村長が必ず職員と一緒に全部現場を歩いてご覧になります。それを踏まえて限られた予算の中で「今年はここをやろう」と行っています。
区の役員さんからは気軽に情報を寄せて頂けるので、それだけ住民と行政が近い関係でもあり、小さなまちの良い所です。住民の方のご協力を頂きながら、大事になる前の小さなうちに対処しています。
DK:住民主導のインフラメンテナンスは最近全国的に流行っているようです。職員の方たちの目だけではなくて、住民の方の目で見てもらったメンテナンスはある意味、先進的で重要なのだと思います。
Q. 危険に発展しそうな陥没などの変状はこれまでございましたか?
建設農林課:アスファルトの下に水路が走っていて、吸出しによって陥没する事は年に何回かあります。応急処置で何とかなるなら私たちで行いますが、交通量など規模や場所によっては請負で出すか、個別に判断をしています。

技術メモ
空洞と思われる波形を抽出し、空洞の位置や大きさ、深度を推定し、陥没発生の可能性についても評価した。空洞と思われる反応の概略規模より、評価基準図に落とし込んで評価する。

路面陥没発生の可能性評価基準図と
発生深度・広がり(短軸)のイメージ図

異常抽出箇所 3Dレーダ波形図凡例

Q. 橋の定期点検ではⅢ判定など出ているものはございますか?
建設農林課:法定点検は2巡目を昨年度行ったのですが、道路橋として管理している橋は95橋あり、そのうちの5橋がレベルⅢです。5橋のうち3橋は遊離石灰。おそらく舗装のクラックから水が侵入し、PC橋なので鋼材の腐食が起きつつあるのではないか?といった判定でした。
前回、レベルⅢは7橋ほどありそれは直したのですが、この5年でレベルⅡ判定のものがⅢ判定になってしまったと、経年によるものが出てきてしまっているのかなといった状況ですね。

Q. 橋の補修工事の予算は村の全額負担になるのでしょうか?
建設農林課:レベルⅢ以上の修繕必要と判定された橋は、道路メンテナンス補助事業が適用できると承知しています。5年前の点検でも2橋を補助事業で直しております。今回は5橋のうち3橋は3ヵ年かけて補助事業で行うと要望しております。

技術メモ
国土交通省は、省令及び告示の規定に基づき具体的な点検方法を示した道路橋定期点検要領を定めています。その中に、道路橋毎の健全性の診断区分は、Ⅰ(健全)、Ⅱ(予防保全段階)、Ⅲ(早期措置段階)、Ⅳ(緊急措置段階)となっています。
参照資料:国土交通省 道路局 道路橋定期点検要領(平成31年2月)

橋梁床版調査では3D データにて取得した反射波形データに対して自動損傷検知アルゴリズムを用いた解析を実施した。健全部をリファレンス位置とした場合、非損傷箇所についてはほぼ同様の波形形状であり相関が大きくなるのに対し、損傷個所では波形形状が異なることから相関が小さくなると考えられる。このことからある深さまでの波形に着目して相互相関関数を計算することで、該当範囲内における異常の有無を判定することができる。

時間領域波形の平面画像一例(比誘電率未確定のため深さは目安)

   

   

損傷検知アルゴリズム適用結果の例

Q. 路面性状調査を定期的に行うことは費用面で難しいですか?

建設農林課:パトロールは表面上見えるところしかできないので、レーダーを使って「地中も一緒」というのはすごく画期的だと思います。本格的な調査をすることによって大きな事故になる芽を未然に防ぐことができる有効な方法なのかと思います。ただこれを全路線となると財政的に補助などの後押しがあると、我々も踏み込めるのかなと国に期待したいと思います。
すごく有効な調査だなと報告書を拝見して分かったので、潜在的な危険を未然に防ぐ。そういったところにこそ国の補助があると有難いのと、特にうちのように小さい地方自治体だと厳しいのかなと思います。

DK:舗装表面の性状調査は、補助対象になっているところはあるのですが、路面下の空洞調査は補助金が無いんですよね。

技術メモ
ひび割れ計測で取得したデータは、専用解析ソフトを使用して処理を行い、解析用の画像を作成する。路面性状調査については、解析画像よりレーンマーク(いわゆる白線)の内側に0.5m 間隔のメッシュを想定し、各メッシュ内のひびわれ・パッチング・ポットホールなどの欠陥部分を抽出する。
路面表層に存在するひび割れ・パッチング・ポットホールを計測し、対象路面のひび割れ率またはひび割れ度を求める方法である。路面に生じたひび割れの度合いを評価することを目的とする。

路面性状コンパクトユニット概要図

ひびわれ解析画像一例

Q. 舗装構成の把握について

DK:今回の地中レーダーは舗装構成まで把握する事が出来ます。例えば、ある市道・村道のアスファルトが何cm?路盤が何cm?そういった舗装構成を把握できていない事によって舗装修繕する時の工法選定や、費用算出ができない自治体様もいらっしゃいます。そういった舗装構成を把握できる事が、今後必要だとお感じでしょうか?
建設農林課:道路台帳には幅、長さはありますが深さは把握できていません。工事した時の設計図が残っているものは分かりますが、そうでない遥か昔に舗装したところはおそらく一般的な舗装構成だと思いますが、やはり舗装台帳にはございません。こういった調査で舗装構成が分かれば価値のある資料だと思います。舗装してあるとアスファルトの厚さやその下の舗装構成は分かりませんし、修理するのにいくら掛かるのか?と計画を立てるにも価値があると思います。
DK:ある自治体様では、「路盤は厚くアスファルトは薄い」では、アスファルトを厚くすれば持つだろうと計画したり、逆に「路盤が薄くアスファルトが厚い」ときは、舗装が持たないのは路盤の厚さが不足しているから路盤から打換えないとダメだろうと、そういった工法選定をされていました。
原因が路盤の厚さなのか?アスファルトの厚さなのか?経年劣化なのか?舗装構成を把握することで推定できるようになります。

建設農林課:その路線でどのくらい費用負担が必要なのか、計画段階である程度分かるのですね。
舗装が傷んで長い距離を直そうと思うと、どうしても不陸整正だけで舗装するのが基本的な考えであったので、路盤は意識していなかったですね。こういった数値で出してもらうとすごく参考になると思います。予算査定する時の説明資料にもなりますし、舗装が表面上だけキレイになっても、結局短いサイクルで直さなきゃいけないと結果的に高い費用になってしまいますよね。

技術メモ
地中レーダー調査行うことにより、道路の舗装構成の厚みを出すことができるため、適切な維持補修計画を立てる事ができ、結果的にライフサイクルコストを抑えられる。
図面化されていない当時の舗装構成を把握しきれていない自治体様は多く、このデータを使って工法検討、費用算出などの補修計画、予算計画に役立てられる。

横軸が距離、縦軸が深さを示す

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下記リンクより、今回実施した 路面性状調査に伴う舗装構成調査 を含めた「路面性状調査 自動化の取組み」についてご覧いただけます。

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