【ブログ】広大な実験フィールドを完備!技術開発の拠点「ジオロボティクス研究所」とは?
土木管理総合試験所では、2022年4月1日に「ジオロボティクス研究所」を開設しました。
ジオロボティクス研究所は、土木管理総合試験所初となる北海道内の拠点で、屋内外に広大な実験フィールドやテストコースを持つ研究施設です。
第二フィールドとして、北海道苫小牧市という自然豊かな環境を活かした山林試験フィールドも利用可能となっています。
今回は、そんなジオロボティクス研究所の吉田所長にインタビューを行いました。
ジオロボティクス研究所(北海道苫小牧市植苗168-1)
屋内外に実験フィールドを有する敷地面積8943㎡の研究施設です。
最大50名程度収容可能な会議室もあり、セミナーや研修等への利用も可能。 実験フィールド、会議室ともにレンタルスペースとしてどなたでもご利用いただけます。
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ジオロボティクス研究所の研究施設
―ジオロボティクス研究所には、どのような研究施設がありますか?
吉田所長:ジオロボティクス研究所には、屋内外に研究施設があります。屋内の地盤ヤードは、3階建ての建物を吹き抜けにした体育館のような形です。床が地盤そのままになっていて、ボーリング調査や屋外用のロボットの実験などに利用できます。
地盤ヤード(屋内)400㎡×高さ11m 屋内のため、天候に左右されずに実験可能
―屋内実験棟にはトラックなど大型の車両も入れるのでしょうか?
吉田所長:はい。トラック以外にもバックホウや小型クレーン、高所作業車で作業も出来ます。入口は幅4.5m、高さ4mありますので、新JISで0.8㎥クラスのバックホウも入っていけますが、中での機動性を考えますと、0.5㎥クラスが良いでしょうか。
―屋外の研究施設はどのようなものがありますか?
吉田所長:屋外にはテストコースを2種類用意しています。1つ目がアスファルト舗装の盛土道路を模したコースです。幅が6m、長さが40mのものが1レーンあります。
AS舗装盛土コース:幅6m×長さ40m 屋外地盤ヤードも併設
吉田所長:2つ目は模擬床版のコースです。幅が3m、長さが10mのものが2レーンあります。レーダー機器の実証実験などに利用できます。
模擬床版コース:幅3m×長さ10m
吉田所長:さらに第二フィールドとして、自然環境をそのまま残したエリアがあります。こちらはドローンやUAVの飛行にも使用できるように整備中です。
―ここまで様々な案件に対応できる施設は珍しいと思いますが、いかがでしょうか?
吉田所長:そうですね。民間でこのような施設を持っているところは少ないかもしれません。だからこそ、色々な方に使っていただけるような施設にしていきたいと思います。
ジオロボティクス研究所を苫小牧に開設した経緯
―この施設を作った経緯を教えてください。
吉田所長:私自身、他社さんの実証実験のお手伝いをさせていただいたことがありますが、実験場所を探すのに苦労されていたのを見てきました。そんな経験もあり、もともと研究開発や実証実験ができるような施設を手掛けていきたいという思いがあったことがこの構想のきっかけです。当社で実験できるような場所を確保できたのは大きなメリットになっています。
―なぜ苫小牧という場所を選ばれたのでしょうか?
吉田所長:主な理由は2点あります。1点目は、広大な土地があることです。テストコースは地盤の下から作り込むので、見た目以上に広大な土地が必要でした。
2点目は新千歳空港、苫小牧港それぞれからのアクセスが良かったことです。機材を持ってくるにも、作ったものを持っていくにも立地的なメリットは大きいです。
ジオロボティクス研究所 地図
吉田所長:さらに、フランチャイズ契約を結んでいる住宅パイル工業さん、業務提携を結んでいる北海道ソイルリサーチさんとも近い立地関係にあり、心強いパートナーがいることも最終的には大きな決め手になったと思います。
そのような意味で、苫小牧に土地を取得できたというのは運命的な出会いでした。
―施設が完成するまでどのぐらいの期間がかかったのでしょうか?
吉田所長:足掛け3年ぐらいかかったと思います。計画が3年前ぐらい、竣工が昨年の秋でした。
ジオロボティクス研究所でできること
―この施設をどのように使っていく予定でしょうか?
吉田所長:施設の名前が「ジオロボティクス研究所」なのでメインは研究開発になります。地盤やインフラ維持管理に関わる技術を開発して、「環境保全・整備事業における調査・試験を通じて人々の生活環境が豊かになること」という当社の使命を果たしていきたいと思っています。
また、当社だけでなく、様々な業種の方にも実験研究の場として活用していただくことも考えています。
次世代担い手の体験学習や自然災害交通災害での一時避難場所としての利用など、地域に根付いた活動にも取り組んでまいります。
―いろいろな方にいろいろな使い方をしていただくようなイメージですね。
吉田所長:そうですね。名前に「ジオ」とはついていますが、ジオにこだわらずいろいろなことに使えると思います。自然豊かな場所ですので、環境的な部分でも発信ができますし、本当に様々な可能性を秘めている施設です。
ジオロボティクス研究所のご利用実績
―すでに施設を使って実験をされたような方はいらっしゃいますか?
吉田所長:はい。UAVの体験会や電磁波レーダーの実験など、すでに数社の方に使っていただいています。
UAV体験会の様子
電磁波レーダーの実験の様子
電磁波レーダーの実験の様子
―どのような経緯で実験に使っていただくことになったのでしょうか?
吉田所長:研究施設を開設したということをお伝えしたところ、「新しく買った機器があるので試しに動かしてみたい」ということで使っていただきました。
今後の展望
―今後の展望はございますか?
吉田所長:まだ出来たばかりですので、展望は山のようにあります。例えば、各社さんに使っていただくには、宿泊施設を兼ね備えた事務所を配置できると良いかなとか、地域の企業さんと一緒にロボットを作ったりできると面白いかなとか。逆に言えば何でもできるのではないかと思いますので、とてもワクワクしています。ひとつでも多く実現できるよう引き続き整備していきます。
ー改めまして、今回インタビューにお答えいただいたのは、ジオロボティクス研究所の吉田所長でした。お忙しい中ありがとうございました。
セミナーへの活用事例
2022年7月4日に、ジオロボティクス研究所開設企画としてアスベストセミナーを開催いたしました。最後にご紹介いたします。
2021年4月にアスベスト事前調査が義務化されましたが、それに加えて2022年は事前調査結果等の届出義務化も施行されました。
本セミナーでは、当社の建築物石綿含有建材調査者が法改正のポイントを押さえながらわかりやすくご説明いたしました。
セミナー開催の様子
参加してくださった方から「とても分かりやすく参考になった」との声もいただいております。
たくさんのご参加、ありがとうございました。
▼セミナーの様子が 2022年7月6日発行 北海道建設新聞 に掲載されました▼
ご好評につき、第2回アスベストセミナーを9月以降に予定しております。詳細が決まり次第、優先的にご案内をするため、事前登録を募集しています。ご興味のある方は、下記ボタンより事前登録をよろしくお願いいたします。
今後も、コンクリート維持管理、環境調査、道路橋梁の路面性状調査など、インフラ維持管理に関する様々なテーマでセミナーを定期的に企画してまいります。
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ジオロボティクス研究所では、様々な目的でのご利用を募集しております。
ご相談につきましては随時受け付けておりますので、下記ボタンよりお気軽にご相談ください。