【ブログ】インタビュー|ついに既設構造物も3Dモデル化が実現!LandFormsで点群データをフル活用!!
点群データ処理を得意とする、3次元情報処理ソフト「LandForms」を使い、既設構造物の3次元モデリング技術を発表した株式会社アイ・エス・ピーの波場社長にインタビューを行いました。
CSPI EXPO2022展示会での様子
「できるんだね!」と驚かれた
Q.CSPI-EXPO 2022展示会での様子を教えてください。
波場社長:今回展示会でご紹介しました「点群データを使った既設構造物の3次元モデリング技術」は、昨今のBIM/CIMや建設DXが普及し始めてきている中で、少し異質なテーマだったかもしれません。それでも官庁関係の方々をはじめ大手ゼネコン様やコンサルタント会社様、レーザースキャナーの各メーカー様など幅広い業界の方々にご来場いただきました。この場をお借りしましてお礼を申し上げます。
今年は昨年よりも多くの来場者がありました。コロナの影響で昨年までは東京への移動すら難しい状況でもありましたから、ようやくという感じだったと思います。皆さん口々に新しい技術を探しに来たとおっしゃっていたのがとても印象的でもありました。
我々は、これを皮切りに7月のメンテナンス・レジリエンス展(東京ビッグサイト)にも出展する予定です。維持補修業界への出展は初めてとなりますが、既設構造物の3次元モデリングが維持補修の面で必ず必要とされる技術であると予想しています。新設構造物がCIMにより3次元化が普及する一方で、既設構造物は2次元のままでよいのか。その答えを見つけられたらと考えております。
点群データから3次元モデリングが実現
Q.今回ご紹介されたモデリング技術についてご説明して頂けますか?
波場社長:この技術は、現地で計測した点群データから構造物のコーナー部やエッジのある端点を選んで、あとは選んだ点同士を線で結ぶだけのシンプルな手法です。
特殊な知識も難しい技術も不要ですので、誰でも簡単にモデル作りが行えてしまいます。まさに絵を描く様な感覚でモデリングが行える技術といえます。
また、曲線部も細かく再現できますし、橋梁をはじめ砂防ダム、ボックスカルバート、樋門・水門など、コンクリート構造物から鋼製構造物のような複雑な構造物でも3Dモデリングをすることが可能となりました。
詳しくはセミナー内でもご紹介致します。
2022年6月23日に株式会社アイ・エス・ピー様をお招きした特別セミナー
「新活用術!点群データを用いた既設構造物の3次元モデリング」を開催いたしました。
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モニュメントの点群データを取得
コーナー部の端点を選択
端点と端点を結ぶ
TINデータに変換
点群データと合成
合成データ拡大表示
会社に戻ってから内業は大変
Q.点群データを3Dモデル化しようとしたキッカケは何だったのでしょうか?
波場社長:以前、私はコンクリート診断士として全国の既設構造物の橋梁点検・診断、変状調査を数多く行ってきました。その頃は現地で調査をして、会社に戻ってから内業するのがとても大変で、そこの時間短縮や省力化を改善したいと思ったのがそもそもの始まりです。大容量のファイル送信サービスを使って、現場から点群データを送り、簡単な構造物なら現場から帰ってきたら3Dモデルが出来ている。そんな些細な夢を実現したい。その一心でスタートした企画です。
地形の3次元化などは古くから行われてきた技術で、構造物系も新設などのように図面がある構造物であれば3Dモデル化はかなり浸透してきた技術と捉えております。但し、それとは逆に図面が無い既設構造物のモデル化の場合はどうでしょうか。例えば、昭和初期や高度成長期に作った旧い構造物は殆ど図面が残っておりません。橋梁で70万橋、トンネルで1万箇所がいまだインフラとして使用されているのも現実です。図面が無い場合は現地で計測することが必要となります。人手もかかれば足場や点検車など調査費用も負担が大きく決して安いものではないと思います。その替わりに点群データは短時間で橋台橋脚や短い橋等などであれば1時間くらいでデータは取れてしまいます。しかも、色情報や座標データが一緒に入手できるので3次元化には打ってつけです。あとは点群データからのモデル化だけ。そこをクリアすれば既設構造物の3D化の遅れを取り戻せるものと大いに期待しています。
「ISPさんのソフトなら何とかしてくれる」が嬉しい
Q.ユーザー様の声はいかがですか?
波場社長:お客様からは、「ISPさんのソフトなら何とかしてくれる」とか「困ったときはLandFormsを使えばできる」と言われれば本当に嬉しいですよね。
当社は3次元を始めて33年目を迎えます。こんな機能誰が使うんだというようなニッチな機能も多く、隠れた銘(迷)機能が多いのも大きな特長といえると思います。長い方は非常に長くご愛用頂いております。転職されても次の会社で無ければ買ってもらったりしていることもあります。本当に感謝しかありません。
少しでも長くインフラの耐用年数を伸ばしたい
Q.今後の展望を教えてください?
波場社長:世の中は間違いなくインフラ維持補修時代に突き進んでいます。構造物の老朽化は待ってはくれません。私たちの暮らしや生活を維持し、そして守るためには、少しでも長くインフラの耐用年数を伸ばしてあげること、それに尽きると思います。今回ご紹介した既設構造物の3次元化は、インフラ維持補修時代を生き抜いていくためのわずかな一歩に過ぎないと考えています。今まで点群データからモデル化が出来なかったと思えば、僅かな一歩であっても大きな前進とみるべきだと私は考えています。人手不足や予算の縮小など問題も山積しておりますが、まずは身近なところから確実に省力化、自動化に向けた技術革新を進めていけたらと考えております。簡単ではありませんが、常に人がやっていないこと、どうすれば効率が上がるのか、どうすれば簡単になるのか、そんな自問自答をしながら世の中の社会のために少しでもお役に立てる企業でありたい。社員一同、共に成長を続けていけたらと考えております。
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展示会で行われた波場社長へのインタビューは5時間32分ごろからご覧いただけます