放射線透過試験(RT試験:Radiographic Testing)は、X線やγ線の放射線が試験体を透過する現象及び写真フィルムを感光させる現象を利用して、試験体内部の状態を2次元的撮影像としてフィルムに記録させる方法です。
放射線が試験体内を透過する際、内部にきずがあると健全部と比べ、多くの放射線が透過し、X線フィルムをより強く感光させ、写真現像するとそのきず部分は健全部よりも黒く写ります。このフィルムを観察することにより試験体内部のきずを検出することができます。
X線とγ線は同じ種類の放射線で、X線はX線管内で電気的に制御して発生させる電磁波であり、γ線は放射性物質の原子核内部から放射される電磁波でその性質は全く同じです。
X線とγ線は次の様に違いがあります。X線装置は電源を切ればX線は発生せず安全管理面で比較的楽ですが、装置が大型となり狭い場所では使用が困難となります。一方γ線源は常に放射線を出し続けているため、安全に対する維持管理が厳しいですが、装置が小型で狭い場所でも使用が可能です。
放射線透過試験は内部きずの検出に適しており、主に圧力容器、船舶、橋梁、パイプライン等の金属構造物の溶接部や鋳造品の検査に広く用いられていますが、近年では食品、木材、文化財、セラミックやコンクリート等の非金属材料に対する内部状況の調査にも頻繁に用いられるようになりました。
この試験ではX線の透過能力に限度があるために、試験体の厚さの上限について制限され、検査可能な厚さの限度は現場撮影に使用する可搬式の装置の場合、鉄鋼材料で約60㎜、コンクリートでは300㎜が限界となります。透過厚さが厚くなる程、装置も大型のものが必要となり装置の配置時間及び照射時間が長くなります。また、透過法であるので試験体をはさんで放射線源とX線フィルムをそれぞれ反対の位置に配置する必要があり、透過厚さが薄くても片側だけにしか近づけない場合、撮影は不可能となります。
溶接部の傷の検出や鉄筋コンクリート内部の鉄筋配置状況を調べることができます。
放射線透過試験の特性としては、次のことがあげられます。
JIS-Z 3104 : 1995 鋼溶接継手の放射線透過試験方法
JIS-Z 3106 : 2001 ステンレス鋼溶接継手の放射線透過試験方法
各工事標準仕様書
人間の耳で聞こえる音の周波数(20~20000Hz)よりも高い周波数の音波を超音波といい、光と同じように直進性と異なった物体の境目で反射・屈折をする性質があります。
そのため、この超音波を探触子を使って材料中に伝搬させると健全部では直進するが、きずがあるとそこで超音波の一部分が反射され、もとの探触子に戻ってきて受信されます。
超音波探傷試験(UT試験:Ultrasonic Testing)は、この現象(山彦の原理)を利用して、きずの存在位置や大きさの程度を知る方法です。
通常鋼材では1~10MHzの周波数の超音波を使用し、試験体の表面から垂直に伝わらせる垂直探傷法と、入射角度を持たせて斜めに伝わらせる斜角探傷法があり、試験体の形状や検出したいきずの種類、方向等を考慮して使い分けます。
超音波探傷試験の特性としては、次のことがあげられます。
コンクリート構造物中に配置された鉄筋の位置・かぶりを電磁波レーダ法を用いてコンクリートを破壊することなく非破壊的に探査し、改修工事・耐震補強などに使用するコア穿孔工事やアンカー削孔工事の鉄筋切断を防ぐことを目的とします。
鋼管杭、コンクリート杭、H鋼杭や鋼管矢板等の既製杭工では、放射線透過試験および浸透探傷試験の実施が規定されております。中堀工法等で放射線透過試験が不可能な場合は、超音波探傷試験を実施致します。
落橋防止装置等の溶け込み溶接部において、溶接不良が確認された問題を踏まえ、過去に設置された落橋防止装置の再検査が各自治体等で進んでおります。
また、新規に製作・設置される落橋防止装置については、全数検査の実施や発注者による抜き打ち検査の実施により品質管理の強化が進められております。
既設、新設を問わず、試験方法、判定基準のご提案が可能です。
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