PCB廃棄物の適切な処分支援

PCB特別措置法による対象廃棄物の適切な処分について手順を踏まえて支援します。

PCB廃棄物の適切な処分支援

PCB特別措置法により処分対象となる廃棄物(変圧器)等の絶縁油には、PCBが含まれているものがあります。
当社では廃棄物等の絶縁油中に含まれるPCB分析を行っています。
PCBとは、Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、主に油状の化学物質であり、熱で分解しにくい、電気絶縁性が高いなどの化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油など様々な用途で利用されていました。しかし、PCBの毒性が明らかとなり1972年に製造が禁止されました。その後、平成28年にPCB特別措置法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)が改正され、PCBを一定以上含むものはPCB廃棄物に該当し、2027年3月まで(地域により異なる)に処分等を行わなければいけないと決まりました。
当社では、絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(平成23年5月環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課)にもとづき、絶縁油中のPCB分析を承っております。


1.PCBを含む可能性のある電気機器

PCBは電気機器用の絶縁油など様々な用途に利用されており、現在は新たな製造が禁止されています。

用途

製品例・使用場所

変圧器用(トランス) ビル・病院・鉄道車両・船舶等の変圧器
 コンデンサー用 蛍光灯の安定器・白黒テレビ・電子レンジ等の家電用コンデンサー、直流用コンデンサー、蓄電用コンデンサー
感圧複写紙塗料印刷インキ

 

ノンカーボン紙(溶媒)、電子式複写紙、印刷インキ、難燃性塗料、耐食性塗料、耐薬品性塗料、耐水性塗料
  • 「環境省パンフレット ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の期限内処理に向けて」より一部抜粋 

2.PCBとは

PCBは優れた特性(絶縁性が高い等)と極めて強い毒性を有する化学物質です。

性質 ・水にきわめて溶けにくく、沸点が高いおもに油状の物質
・化学的に安定(熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高い) 
毒性 目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着、ざ瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節の腫れなどの中毒症状
主な事故 カネミ油症事件:昭和43年に食用油の製造過程において熱媒体として使用されたPCBが混入し健康被害を発生

3.PCB廃棄物について

PCBを含む電気機器は、PCB廃棄物として処理します。

 

種類 分類 判別方法 
高濃度
PCB廃棄物
0.5%(=5000ppm)を超えるPCBを含む変圧器、コンデンサー等 機器に取り付けられた銘板で判別可能※(1953~1972年製はPCB使用の可能性有)
低濃度
PCB廃棄物
 ・0.5%(=5000ppm)以下のPCBを含む変圧器、コンデンサー等
・PCB不使用だがPCB汚染された絶縁油を含む電気機器
PCB汚染の可能性がある製造年の場合、絶縁油を採取してPCB濃度を測定
(変圧器:1994年、コンデンサー:1991年より前だとPCB汚染の可能性有) 
  • 詳細は各メーカーに問い合わせるか、(一社)日本電機工業会のWebサイトを参照してください。


対象機器の判定フローチャート

  • 「環境省パンフレット ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の期限内処理に向けて」より引用

4.処分について

PCB特別措置法により事業者はPCB廃棄物を2027年3月までに処分または処分を委託しなければならないことになっています。詳しくは下記をご覧ください。
法令:ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法  (平成13年6月22日法律第65号)












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