コンクリート構造物の内部空洞調査

コンクリートの内部に空洞や充填不良などの不具合がないかを確認するために調査を行う

コンクリートにはなぜ空洞や充填不良ができる?

コンクリートを打ち込む際の締固めの仕方や、コンクリートの打設や運搬の仕方(高所から落としたり、ダンプで運搬するなど)によって粗骨材が偏ってしまうことや、「材料分離」によって空隙や充填不良による豆板(ジャンカ)ができることがあります。また、稀に化学反応により内部が膨張して空洞ができることもあります。

様々な要因が考えられますが、構造的要因として鉄筋が過密配筋である場合や構造物の形状が複雑な箇所は、内部空洞や充填不良が起こりやすく、使用する生コンの配合的な要因や打設計画、人員配置・締固め作業員の熟練度等の人為的な要因でも内部空洞や充填不良が生じます。

一般的に豆板(ジャンカ)が生じることによって問題となるのは、中性化等の劣化因子の浸透による内部鋼材の腐食による耐久性の低下が主なものですが、内部空洞や充填不良の範囲が大きい場合には構造的な安全性の低下を生じる可能性があります。

1.コンクリート構造物の内部空洞調査とは?概要と効果をわかりやすく解説

コンクリート構造物の内部空洞調査とは

コンクリートの内部空洞調査とは、構造物内部に存在する可能性のある空洞や欠陥を壊すことなく検出するための非破壊調査です。施工不良や劣化による空洞を可視化し、構造の安全性や耐久性を評価します。


内部空洞調査を行うメリット

  1. 壊すことなく非破壊で空洞の有無を確認できる
    コンクリート内部にある空洞や欠陥の有無を破壊することなく非破壊で確認することができるため、調査による構造物の損傷を最小限にとどめることができます。
  2. 補修・補強の計画が立てやすくなる
    空洞の有無や空洞位置・大きさを把握することで、補修範囲や深さ・補修方法の検討に活用できます。
  3. 健全性の確認
    空洞の有無を確認し適切に対処することにより構造物の健全性を保つことができます。

2.内部空洞調査の方法(非破壊検査の種類)

内部空洞調査では、主に以下の4つの方法がございます。特徴が異なるため、対象物により適切な方法をご提案いたします。


衝撃弾性波法

コンクリート表面にパルス状の打撃力を作用させることによってコンクリート内に波動が発生し、内部を伝搬する弾性波を使用し測定を行います。超音波法と比較して減衰が小さく、超音波より広域をカバーできる特徴があります。欠陥検出分解能力は超音波に劣りますが、表面性状の影響を比較的受けにくい特徴があります。



超音波法

2探触子による透過法や、1探触子のみで測定する反射法、マルチパスによるトモグラフィ法があります。超音波法の特徴として、弾性波法より誤差が小さく、試験値の精度や再現性が高いことが挙げられます。反面、減衰が大きく、表面付近の欠陥検出性に長けています。また、細かな欠陥に対しての検出能力がありますが、表面性状の影響を受ける可能性が高い特徴があります。


\超音波法 高性能機器のご紹介/
(パンジットPD8050 プロセク社)

当社では、AIにより材料判別機能や、iPadとのデータ共有機能などを搭載した

最新の試験機による調査も可能です。特徴は次の通りです。

  1. ドライカップリング
    接触媒体を使用せず、カップリングペースト不要で、スピーディーに作業を実施
  2. パノラマB-Scanとリアルタイム画像処理
    現場でリアルタイムに画像の処理をし、即座に結果を確認
  3. AR機能によるデータ投影
    AR(拡張現実)機能を活用して、2D・3Dデータを現場に投影し、視覚的に直感的なデータ解析が行える
  4. A.I.による材料判別機能
    A.I.により詳細な解析が可能で、精度の高い検査結果を提供
  5. iPadとのデータ共有機能
    データを簡単に共有でき、現場のチーム全体で情報を即座に交換し、迅速な意思決定が可能

電磁波レーダー法

電磁波をコンクリートに向けて放射します。電磁波は、電気的性質の異なる鉄筋や空洞等の反射物体との境界面で反射する性質を利用し、その位置を推定します。原理上空洞等も探査可能ですが、鉄筋と空洞の識別は不可能です。また、空洞がある程度の大きさ(目安:拳大)以上でないと精度良い探査は難しくなります。


ラジオグラフィー法

ラジオグラフィー法は、X線を用いてコンクリート内部欠陥を可視化する方法です。この方法では、X線を照射してコンクリート中の異常部分に反応させます。その反応を検出し画像化することで、コンクリート内部の欠陥を見つける方法です。測定条件として立ち入り禁止区域の設定や測定可能な部材厚の制限などがあります。




3.当社の内部空洞調査実績・事例紹介

ジャンカ周囲の健全性調査

表面にジャンカを確認できる箇所で、深いところまで空洞が及んでいるのかを調査しました。内部では超音波の強い反射が見られないことから、内部にジャンカや空洞が発生していないと推測されました。


吹付後の境界空洞調査

壁を補強するためにモルタルを入れて壁を厚くする工事を行いました。モルタル吹付後、モルタル自体の強度と空洞がなく密着できているかを調べます。強度はコアを抜いて圧縮強度試験を行います。今回内部は格子状でメッシュ筋も入っていたため、電磁波レーダーを使用して確認しました。内部の波形は確認できなかったため、内部に空洞はないと推測されました。


4.内部空洞調査から補修まで一貫対応

当社では現場の状況やご要望に応じた適切な調査方法の提案が可能です。

また、空洞調査の結果対策が必要になった際は、補修工法の検討、工事まで対応します。豆板(ジャンカ)の補修例は下表を参照ください。当社では北海道から沖縄までの全国ネットワークで対応していますので、お気軽にご相談ください。

等級別豆板(ジャンカ)の程度と補修方法

等級

豆板の程度

深さの目安

補修方法

A

粗骨材が表面に露出していない

-

-

B

粗骨材が露出しているが、表層の粗骨材を叩いても剥落することはなく、はつり取る必要がない程度

1~3cm

ポリマーセメントモルタルなどを塗布。

C

粗骨材が露出し、表層の粗骨材を叩くと剥落するものもある。しかし、粗骨材同士の結合力は強く連続的にバラバラと剥落することはない。

1~3cm

不良部分をはつり取り、健全部分を露出。ポリマーセメントペーストなどを塗布後、ポリマーセメントモルタルなどを充填する。

D

鋼材のかぶりからやや奥まで粗骨材が露出し、空洞も見られる。粗骨材同士の結合力は弱まり、粗骨材を叩くと連続的にバラバラと剥落することもある。

3~10cm

不良部分をはつり取り、健全部分を露出。無収縮モルタルを充填する。

E

コンクリート内部に空洞が多数見られる。セメントペーストのみで粗骨材が結合している状態で、粗骨材を叩くと連続的にバラバラと剥落する。

10cm以上

不良部分をはつり取り、健全部分を露出。コンクリートで打ち換える。

出典:コンクリート診断技術(公益社団法人 日本コンクリート工学会)












各種試験を24時間WEB注文


概算・見積が欲しい

試験・調査方法を相談したい

お役立ち情報を知りたい


電子計量証明書

交付サービスのご案内


土木工事の
施工品質基礎知識セミナー


災害対応調査のご依頼


採用情報