建築分野や土木分野、目的や用途、仕様などによりコンクリートに求められる要求性能は異なります。
コンクリートの品質管理とは、コンクリートの強度、耐久性、耐熱性、耐水性などのコンクリート構造物の品質を確保するためのものです。
これらの品質を確保するために施工前・施工中・施工後の段階で必要かつ適切な調査等を提供します。
※ 建設に使用する資材の各種室内試験についてはメタル・コンクリート室内試験に整理しています。
施工時のフレッシュコンクリートは、半製品であり荷卸し時に所定の品質性状を有し、硬化後に所定の強度を有することが求められています。
国土交通省などの基準に基づき生コンクリート荷卸し時ならびに硬化後に品質確認試験を実施して、製品品質を確認します。
試験項目
生コンクリート中の単位水量測定
圧縮強度試験・曲げ強度試験
温度応力解析とは、マスコンクリート(部材厚や体積の大きいコンクリート)で発生しやすい温度ひび割れを事前に予測し、対策を検討するために行う解析です。コンクリート示方書では初期ひび割れの照査を義務付けており、温度ひび割れの発生が懸念される場合(壁部材の場合厚さ50cm以上、スラブの場合厚さ80cm以上)にはほぼ確実に温度応力解析を行う必要があります。
設計段階では、温度ひび割れ対策の効果や妥当性を確認し、有用なひび割れ対策をご提案します。
施工段階では、計画や工程に沿った事前検討を行い、現況での温度ひび割れリスク評価や各種対策での対策過不足の評価を行います。
国土交通省通達の「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定試行要領」に従って測定を行います。
測定者はソフトコアリング協会及び(独)土木研究所による講習会の修了者が従事します。
本試験は、新設の構造体コンクリート(フーチング部)に用いられる試験です。構造体コンクリートと一体成形された供試体(ボス供試体)により強度を測定する試験となっています。
ボス供試体とは、構造体コンクリート打設前の型枠にボス型枠を取り付けておき、構造体コンクリートを打設するとボス型枠にも同時にコンクリートが充填され、一体成形される直方体の供試体のことです。
※ボス供試体(BOSS):Broken Off Specimens by Splitting
仕様書・試験規格
「小径コア」とは、一般的にφ25(直径25mm)前後のコアを指します。
コンクリート構造物の各種調査に用いられる方法として、構造物から採取したコンクリート供試体(コア)による試験が挙げられます。強度を知るための圧縮強度試験、鉄筋の腐食状況を推定するための中性化試験・塩化物含有量試験等、コンクリートコアから得られる情報は多岐に渡りますが、このときに用いられるコアはφ100(直径100mm)が一般的です。
しかし、φ100のコアは構造物に与える損傷度合いが大きく、補修も手間がかかり、補修後の美観も損なわれることがあります。また、構造物中の鉄筋が密である場合にはφ100のコアを採取することが困難な場合もあります。そのような場合は、小径コアによる試験が推奨されています。
衝撃弾性波試験とは衝撃弾性波の伝播速度(弾性波速度)に基づく構造体コンクリートの圧縮強度推定試験です。つまり橋台、橋脚等の構造物でコンクリートの衝撃弾性波速度を測定し、そこから圧縮強度を推定する試験です。
コンクリート弾性波速度は、表面の2点間を伝播する衝撃弾性波の到達時間差と測定距離から算出します。この方法を表面2点法による弾性波速度測定方法と言います。得られた構造体コンクリートの弾性波速度を室内試験(構造体コンクリートと同じコンクリートを用いた円柱供試体の圧縮強度試験および弾性波速度測定)により作成した圧縮強度推定式に代入することで、推定圧縮強度が算出されます。
仕様書・試験規格
超音波試験とはコンクリートの音速から強度を推定する方法です。一般にコンクリートの表面の品質は低いので音速は遅く、内部ほど品質が良くなるため音速は速くなり、次第に一定値に収束するような分布になっています。
強度を推定するためには音速分布を推定し、内部の一定になった音速(内部一定音速)を求める必要があります。音速分布は探触子間隔を変化させながら伝搬時間を測定する方法(表面走査法)によって推定します。得られた内部一定音速を室内試験(構造体コンクリートと同じコンクリートを用いた円柱供試体の圧縮強度試験および音速測定)により作成した圧縮強度推定式に代入することで、推定圧縮強度が算出されます。
仕様書・試験規格
微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領
[H30.10月 国土交通省大臣官房技術調査課]
微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領(解説)
[H30.10月 国土交通省大臣官房技術調査課]
超音波試験(土研法)による新設の構造体コンクリート強度測定要領(案)
[H21. 修正 (独)土木研究所]
テストハンマー試験はテストハンマー強度試験とも呼ばれ、アルファハンマー及びシュミットハンマーによる反発度からコンクリートの強度を推定する試験です。
仕様書・試験規格
[土木関係]
[建築関係]
[その他]
ひび割れが発生しているコンクリート構造物について、コンクリートプラント技術者やコンクリート診断専門家等のチームでトータルサービスを提供しております。
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1.【ひび割れ調査】
目視観察、深さ測定、計測器による経過観察
2.【ひび割れ診断】
発生原因の推定、補修要否の評価、判定、補修工法の提案
3.【ひび割れ補修工事】
表面被覆工法、注入工法、充填工法等
コンクリート用の超音波試験機として広く普及しているパンジットは、一組の送受信探触子を用いて、伝播時間からひび割れ深さやコンクリートの品質評価を行います。
このアレイ型パンジットは送受信探触子を複数配置することで、数値的な測定結果のみならず、断面画像として視覚的にコンクリート内部を確認することが可能です。
電磁波レーダ探査による断面画像と併用することで、コンクリート内部の状況を総合的に推定することができます。
表層透気試験とは、コンクリート表面にチャンバーを設置して減圧することにより、内部の気圧変化から透気係数を算出し、コンクリート表面の密実性や改質材・含侵材を評価することを目的とする試験です。
仕様書・試験規格
コンクリート構造物の品質確保の手引き(案)(橋脚、橋台、函渠)平成31年3月 国土交通省 東北地方整備局
コンクリート構造物の耐久性を評価するため、コンクリート表面の吸水速度を測定します。吸水速度が小さいほどコンクリート表面が緻密で、劣化因子が進入しにくい状態と言えます。
仕様書・試験規格
X線撮影によりプレストレストコンクリート部材のシース内のグラウト充填状況を確認します。(適用可能厚さ 最大30cm)
※X線撮影技術はコンクリート壁や床板に削孔する場合に配筋や配管等の配管状況を確認することが可能です。
国土交通省通達の「非破壊試験によるコンクリート構造物中の配筋状態及びかぶり測定要領」に従って測定を行います。
測定は配筋探査技術者の資格を有する者が従事します。
平日 8:30-17:30
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