構造物の地盤支持力確認試験

構造物設置地盤の支持力を確認をして地盤沈下を防ぐ

構造物の地盤支持力確認とは

設計段階で構造物を設置する地盤に必要とした支持力が、現地盤で出ているか確認します。設計時に設定した基準を満たすと次の施工に進めますが、基準を下回った場合は、地盤改良や置換などの対策検討を行います。

弊社では、改良が必要になった際は改良のための配合試験実施を行い、地盤改良工法の検討・提案から施工、施工後の支持力試験までワンストップで支援します。

1.試験概要

地盤の平板載荷試験

構造物設置地盤に載荷板を介して地盤材料に対して荷重を載荷し、載荷圧力と変位量の関係から支持特性や変形特性などを求める試験です。

地盤に対して、実荷重をかけて試験を実施するため構造物設置に伴う支持力試験では最も信頼のできる試験です。

試験は盛土等の人工地盤や、土質~軟岩~硬岩に至る自然地盤を対象としていて、求める特性によって対象地盤を特定していません。平板載荷試験で得られる載荷板の載荷圧力-沈下量関係は、構造物基礎の支持力及び沈下の検討に用いられます。

参考値:平板載荷試験の結果から地盤の許容支持力を求める場合、対象となる構造物の分野(建築または土木)あるいは行政機関などによって異なった算定式が提示されています。

弊社では一般的に試験結果をそのまま適用する【国土交通省告示第1113号】の根入なしとして判定を行うことが多いです。


平板載荷試験時の安全率の考え方

現場で行う平板載荷試験では、工事特記に「許容支持力○○KN/㎡」あるいは「確認支持力○○KN/㎡」と記載されている確認支持力に、安全率(常時3倍、地震時2倍)を掛けた値まで地盤が耐える事ができるか確認します。

例えば、確認支持力100KN/㎡であれば、試験は300KN/㎡を目標に設定します。
また土木と建築では安全率の呼称が下記表のとおりに変わります。

   安全率3倍  安全率2倍  安全率1.5倍
土木   常時  地震時
建築  長期  ー  短期

平板載荷試験時の反力装置の考え方

平板載荷試験では油圧ジャッキを使用して荷重をかけていきます。油圧ジャッキの荷重に耐えられる反力装置が必要となります。

一般的には現場にある重機を用いる事が多いのですが、鉄板反力を組む場合もあります。
試験に必要な反力の一例は下記表のとおりです。

例えば、常時で確認支持力100KN/㎡の場合、試験目標は300KN/㎡となり、0.2BH以上の反力を用意します。

計算式 確認支持力×載荷面積×安全率/重力加速度=必要反力(t)

確認支持力

[KN/m2]

載荷板面積

[300mm]

安全率 重力加速度

 必要反力

[t]

必要反力
重機の場合 
必要反力
鉄板の場合 
300 0.0707 1.5 9.81 3.24  

0.20BH

 800kg

[5枚]

400 0.0707 1.5 9.81 4.32  

0.20BH

 800kg

[6枚]

 500  0.0707 1.5 9.81 5.41  

0.25BH

 800kg

[7枚]

 600  0.0707 1.5 9.81 6.49  0.45BH

 800kg

[9枚]

 700  0.0707 1.5 9.81 7.57  0.45BH

 800kg

[10枚]

DKブログ 関連記事はこちら ▷  現場体験取材9~構造物の平板載荷試験編~

2.その他の簡易支持力確認

現場状況により反力装置が設置出来ない狭小地などの場合は、構造物や目的によって平板載荷試験以外の方法もご提案致します。それぞれ試験実施にあたり試験条件があります。
そのため支持力確認でお困りの際は、ご相談ください。

簡易支持力試験 エレフット

構造物設置地盤の支持力確認のために行います。

比較的小規模な土木工事や緊急を要する土木工事に使用され、地盤支持力を短時間で求めます(換算式を必要としません)。

簡易的な載荷試験(10点/箇所)を行い、設計の許容支持力に対して判定を行います。また、反力装置も必要とせずコンパクトな試験機です。 詳しくは下の資料をダウンロードして下さい。


簡易支持力測定 キャスポル

「支持力などの確認を行いたいが、該当位置が狭く載荷の為の反力が設置できない・試験機材の搬入が困難である」といった場所における試験値の推定が簡易的に行える試験です。

簡易支持力測定試験は三脚状の測定器です。45cmの落下高さから4.5kgの重錘(ランマ―)を自由落下させ、そこから得られる衝撃加速度「インパクト値」より簡易的に様々な値(せん断抵抗角φ、粘着力C、CBR、地盤反力係数(K30)、コーン指数)を算定し求めることができます。


スクリューウエイト貫入試験

スクリューウエイト貫入試験(SWS試験(screw weight sounding test))はボーリング調査の補足調査や住宅・小規模構造物の支持力特性を把握する地盤調査方法として多く用いられています。
深度方向の支持力、換算N値、一軸圧縮強度、コーン指数を確認し簡易的に土質状況を把握することができる貫入試験です。

SWS試験は地盤にロッドと呼ばれる鉄の棒の先端に、円錘形をねじった矢尻のようなスクリューポイントを取り付け、地面に垂直にたてて、円筒形のおもりを一枚ずつ載せていきます。その沈み方から地盤の硬軟や締まり具合を調査します。
ロッドがスムーズに沈んだ場合は地盤が弱いと判断し、反対に沈みにくかった場合は地盤が固いと判断します。

スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)は2020年10月26日付でJISが改正され、試験名称がスウェーデン式サウンディング試験(SS試験)から変更となりました。


3.地盤強度(N値)を調べる方法

深度方向の原位置における土の硬軟・締まり具合の判定するため、標準貫入試験によって地盤の工学的性質(N値)を求めます。

標準貫入試験よりその区間の N 値が得られます。N 値は豊富なデータの蓄積があるため、各種地盤定数との関係が数多く提案され、各機関が定める設計指針・基準においても設計に用いる指標の一つとして N 値を積極的に取り入れられています。

N値を調べる方法として下記のとおりです。

ボーリング調査による標準貫入試験

ボーリングとは、地盤に細長い円筒状の穴を掘削して、地層の構成や地質の状況等を把握するための地盤調査方法です。
ボーリングによる試料採取(サンプリング)から地層状況および土・岩質性状を把握したり、ボーリング孔を活用した各種試験・計測から地盤強度や物理・変形特性等の判定などをします。

スクリューウエイト貫入試験

スクリューウエイト貫入試験(SWS試験(screw weight sounding test))はボーリング調査の補足調査や住宅・小規模構造物の支持力特性を把握する地盤調査方法として多く用いられています。
深度方向の支持力、換算N値、一軸圧縮強度、コーン指数を確認し簡易的に土質状況を把握することができる貫入試験です。


簡易動的コーン貫入試験

簡易動的コーン貫入試験は、簡易的な貫入試験として原位置における地盤の貫入抵抗(換算 N 値)を求めるための試験です。
自然斜面、盛土(埋戻し土)、盛土のり面、切土のり面表層部の調査及び小規模建築物等の基礎地盤の簡易的な支持力判定に用いることができます。
ただし簡易的な貫入試験のため礫質土層での試験は困難です。

コンパクトで比較的軽量な試験器のため搬入が容易です(ロッドが 50 ㎝のためリュックに入る)。そのため、他試験が搬入困難な現場や、狭い作業スペース、足場が確保可能な程度の傾斜地であれば比較的容易に試験ができるところが特徴です。

当社としては山林での切盛土設計の事前調査や盛土内部の軟弱層調査、ボーリングの中間点での補填としての調査などの実績があります。











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