ドローン(UAV)測量

ドローン(UAV)測量によるコスト縮減とBIMデータとしての活用

ドローン(UAV)測量とは

 従来の測量は、地上でトータルステーション(TS)を使用して人力で行うことが一般的でしたが、広域的に測量する場合、多くの測点が必要となるため時間がかかる上、工数も多く掛かります。
また、取得したデータから地形を再現し平面地形図を作成する際にも多くの工数が掛かっています。
近年、UAVによる3次元測量が可能になったことで、オルソ画像(真上から現場を見たような画像)を専用ソフトウェアで分析し、平面地形図、3次元の地形図作成ができるようになりました。

UAV:Unmanned Aerial Vehicle、無人航空機、通称ドローンと呼ばれています。

1.UAV測量のメリット

従来の方法と比較し、作業時間を大幅に削減出来るメリットがあります。
従来の測量では、TSなどを用いた地上測量や航空機を利用した航空測量が一般的でした。地上測量では地形の変化点にあわせて数多くの標定点を設定する必要があり、その作業は、作業員が移動しながら計測する必要がありました。
また、取得したデータから3次元モデルを作成する際にも多くの工数がかかります。
UAV測量は、上空から高密度かつ解析が容易な3次元点群データを短時間で取得できるため、工数の削減やデータ処理の短縮化を図ることが可能であり、短工期、低コストが実現できます。


東北地方整備局鳥海ダム工事事務所 鳥海ダム百宅線他道路予備設計業務

 測量方法  UAVレーザー
 地域・地形区分  森林・低山地
 作業量  0.69km(路線延長)
 TS測量との比較効果  外業12日→3日に短縮、内業12日→18日と増加、全体3日短縮

 

近畿地方整備局豊岡河川国道事務所 豊岡道路測量業務

 測量方法  UAVレーザー
 地域・地形区分  森林・低山地
 作業量 0.31Km2(対象エリア)
 TS測量との比較効果  外業45日→1.5日に短縮、内業45日→41日に短縮、全体47.5日短縮

 


メリット

  1. 外業コスト・時間コスト削減
    作業を開始するまでの準備時間が短く、測量作業も地上測量よりも広範囲に短時間で測量できます。
     
  2. 内業コスト・時間コスト削減
    取得した3次元点群データをそのまま3次元モデルの合成処理に利用できるため作図工数が短縮できます。
     
  3. 人が立ち入れない場所に入れる
    上空から地表面を撮影するため、山林や山奥、あるいは災害現場など人や機材の到達が困難な場所でも、リスクを回避して安全な測量業務が可能です。
     
  4. 同時作業が可能
    現場によっては工事車両などの往来を止めずに測量できることもあり、工期全体の短縮や安全確保が見込めます。
     
  5. 後続作業のリードタイム短縮
    時間コスト短縮されるため、設計作業の開始、起工測量後の数量算出等のリードタイムが短縮されます。
     
  6. 国土交通省が推進するi-Constructionに対応
    収集される地形情報を構成するデータは、3次元点群データであるため、専用のソフトウェアを使えば容易に解析が可能です。また、BIM/CIM等へ引き継ぐことが可能です。

現在、国土交通省ではICT(情報通信技術)である、BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)の活用による、土木・建設現場の生産性向上や効率化を目指したi-Construction(アイ・コンストラクション)という取り組みを進めており、ドローン測量で得られる3次元データは建設DXの重要な役割を果たします。


2.UAV測量の種類

レーザ測量

UAVにレーザー測量機を搭載し、上空からレーザーを照射して地上の地形を3次元測量する技術です。木や葉の隙間をレーザーが透過するため、UAV空中写真測量では計測が難しい木々が生い茂る地面を測ることが可能です。


写真測量

UAVに搭載したカメラで地上の垂直写真を撮影し、写真データを元に地形の3次元データを作成する技術です。測量データの精度を保つために基準となる標定点を地上に設置します。
PPK測位※1、RTK測位※2と呼ばれる測量技術を使用することで、精度を維持したまま標定点の設置数を削減することが可能です。

※1 PPK測位:PPK(後処理キネマティック)と呼ばれるGNSS測量技術、測量後にGNSS測量データで誤差の補正を行う。
※2 RTK測位:RTK(リアルタイムキネマティック)と呼ばれるGNSS測量手法、測量と同時にGNSS測量データで誤差の補正を行う。


また、レーザー測量では、地形の色情報の取得が出来ないため、 写真測量も同時に行い点群データに色付けしカラーの地形データの作成を行います。

白黒地形データ

カラー地形データ


3.UAV測量の得意分野

設計時の適用

道路・河川などの設計に適用する平面図、縦断図、横断図等の現況図面を作成する基礎データを計測し、図化します。取得した3次元点群データから「2次元現況図」「3次元現況図(グランドデータ)」が生成できます。
上空から地上に向けて、毎秒~数十万点の計測を行う為、広域な地形を『面』として計測することは得意ですが、特定のピンポイントを狙うことには不向きです。

工事・施工時の適用

起工測量とは、現在の形状と設計の形状が合っているのかを確認するために行われる測量です。3次元現況図(グランドデータ)から工事の数量算出の基礎となります。
起工測量は工事着手時点の最新の地形形状の把握と、基準点の精度確認などを行い計画通りの構造物作成が出来るのか確認を行います。
※ 起工測量は、基準点の精度確認や構造物が敷地を越境しないかなど(境界点)『点』の確認を行うことが多いため、従来のTS測量を用いることが多いです

これらは、国土交通省が進めるi-Constructionに係る測量作業において、建設現場における生産性の向上に貢献します。
i-Construction:https://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/index.html


4.当社のレーザー測量の特徴

UAV測量は、上空からの計測に特化しているため、橋梁の裏側やトンネル部などの計測は不可能です。
当社は、地上レーザー測量機を併用し上空から計測した際の『影』となる箇所のデータを収集し、データを補正して高精度なデータを作成します。

※ 木や葉の隙間をレーザーが透過するため地形データを収集できますが、コンクリート構造物等のレーザーが透過しない場合は、計測できません。そのため、補正が必要となります。


5.UAV測量による地形測量の手順

UAV測量機は任意座標にて計測を行います。このデータをパソコン上で公共座標に変換します。

解説:UAVにはGPSが備わっており現在地を特定することが出来ますが、本GPSはUAV機が飛行する為に適用されます。地形計測データは別途基準点が必要となります。

  1. 離陸箇所を標高0m、原点(緯度経度0度)として計測を開始します。IMU※3によって機器の移動量を計測し、地形データを作成します。
  2. 計測したデータ上に映り込んだ対空標識に、予め基準点測量等で計測した座標値を付与し公共座標に変換を行い完成させます。
  3.  計測データには不要物(木、電線、走行車両など)も多く含まれるため、クリーニング作業を行い地形形状のみの抽出を行います。

※3 IMU:Inertial Measurement Unit、加速度計やジャイロセンサー、慣性計測装置と呼ばれます













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