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【ブログ】環境中で分解しにくく、体内に高い蓄積性を有するPFOS/PFOAとは?

PFOS(ピーフォス)/PFOA(ピーフォア)とは、有機フッ素化合物(以下、PFAS(ピーファス))のなかのペルフルオロオクタンスルホン酸(以下PFOS)やペルフルオロオクタン酸(以下PFOA)という化合物です。PFOS/PFOAは水や油をはじき、熱や薬品に強い等の性質を持つため、撥水剤や表面処理剤、消火剤等に用いられています。しかし、環境中で分解しにくく、体内への高い蓄積性を有すること等から「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」を始めとして、国内外でさまざまな規制等が行われるようになりました。
近年では、国の目標値を超える値が検出され注目が高まっています。


環境省 国内等の動向について(PFOS)資料7-2

本記事ではPFOS/PFOAの概要から規制の流れについてご紹介します。

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目次[非表示]

  1. 1.PFOS/PFOAの概要
    1. 1.1.水質汚濁防止法の指定物質
    2. 1.2.新たな要監視項目及び暫定的な目標値
    3. 1.3.健康への影響
  2. 2.今後の動向
  3. 3.規制の流れ
  4. 4.関連コンテンツ

PFOS/PFOAの概要

水質汚濁防止法の指定物質

環境省では、令和4年12月20日に水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令が公布され、令和5年2月1日から施行されています。この改正ではPFOS及びその塩、PFOA及びその塩、アニリン並びに直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の4物質を水質汚濁防止法第2条第4項に追加しました。これは事故時における公共用水域及び地下水の水質汚濁を防止することを目的としています。

改正令の施行に伴い、これらの指定物質を製造、貯蔵、使用又は処理する施設を有する指定事業場の設置者は、指定施設の破損その他の事故が発生し、指定物質が公共用水域に排出、又は地下に浸透し、人の健康又は生活環境に被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、応急の措置を講ずるとともに、講じた措置の概要を都道府県知事等に届け出ることが求められます。


環境省 PFOS 等含有消火剤の使用に伴う PFOS 等排出時における関係地方公共団体へ の情報提供について(協力依頼)

新たな要監視項目及び暫定的な目標値

環境省 国内等の動向について(PFOS)資料7-2 PFOS と PFOA の構造式(直鎖型イオンの構造式)より引用

人の健康の保護に関する要監視項目は、PFOS/PFOAが追加され公共用水域において27項目、地下水において25項目が設定されています。指針値(暫定)は、0.00005mg/l(50ng/l)となっています。

健康への影響

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PFASを含む泡消火剤が軍事施設などで漏出した場合、その付近一帯の土壌は汚染され、その汚染が数十年かけて地下にまで到達し、やがて地下水も汚染されることになると考えられています。
また、PFASが工場などから河川に排出された場合も、汚染された河川水が海に流入して海水となり、その海水が蒸発したものが雨水となって地上に降り注ぎ、地下水を汚染すると考えられています。

PFASはこういった水の循環にのって環境を汚染し続けており、その過程では動植物も汚染されるため、肉・魚・野菜など食物も汚染されることになります。
また、河川の水や地下水は、水道の取水源にもなっているので、水道水もPFASの影響を受けることになります。

PFOSまたはPFOAが体内に蓄積すると、がんの発症や、胎児への発達異常を引き起こすおそれがあるとされており、さらに、血中のPFOA濃度が高い人は、低い人に比べて腎臓がん、潰瘍性大腸炎に加え、精巣がん、甲状腺疾患、高コレスレロール、妊娠性高血圧などの発病リスクが上昇していることも判明しています。

参照:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議「PFAS(有機フッ素化合物)汚染 環境と人体を蝕む「永遠の化学物質」の規制に向けて」 

今後の動向

PFOS/PFOAはすでに化学物質審査規制法に基づき製造・輸入が原則禁止となっており、今後も規制が進んでいくと思われます。国内では土壌環境基準等の目標値の設定等を行うための前提となる測定手法の確立に向けて技術的な検討が進められています。

規制の流れ

年表

内容

2009年05月

残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs 条約) PFOS及びその塩が製造、使用、輸出入を制限すべき物質に指定

2010年05月

化学物質審査規制法(化審法)PFOS又はその塩が第一種特定化学物質に指定

2019年12月

残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs 条約) PFOAとその塩及びPFOA関連物質が製造、使用、輸出入を禁止すべき物資に指定

2020年04月

厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官通知「水質基準に関する省令の一部改正等について(施行通知)」水質管理目標設定項目にPFOS及びPFOAが追加
目標値0.00005mg/l(50ng/l)以下

2020年05月

環境省水・大気環境局長通知「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)」要監視項目にPFOS及びPFOAが追加
指針値0.00005mg/l(50ng/l)以下

2023年02月

水質汚濁防止法の一部を改正 PFOS/PFOAを指定物質に指定

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遠藤 雅弓
遠藤 雅弓
部署:マーケティング部

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