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【ブログ】現場体験取材1~災害関連緊急地すべり防止事業編~

4月に入社して以来ずっと内勤、現場に行ったことのない私がオフィスを飛び出して現場に行ってきました。
今回はコンサルタント部の「災害関連緊急地すべり防止事業」に関わる地すべり調査の現場をご紹介します!

災害関連緊急地すべり防止事業って?

災害関連緊急地すべり防止事業とは・・・
災害により新たに発生し、又は拡大した地すべり地につき、当該発生年に緊急に行う復旧整備に係る地すべり防止工事に関する事業。
引用:林野庁

平日・休日にかかわらず、地震や大雨にて土砂崩壊・崩落や地すべりなど災害が発生した際に、技術員が現地に急行し、状況確認やその後の対応を行う業務です。
世界的に見ても土砂災害が多い日本。自然災害に関わる、非常に社会貢献度の高い業務と言えます。

今回の業務の流れは以下の通りです。

ドローンで空中撮影を行い、計測器の設置場所の決定及び設置をし、ボーリング調査を行います。
その後測量業務を行い、継続して観測を実施しました。
今回の業務が完了した後も、対策工事を含めて5年がかり等の長期的な調査で地下水位の変動率等を観測し、地すべり対策工全体の評価を行う、というところまでが事業のおおまかな流れになります。

今回の現場は昨年夏に地すべりが起きた場所です。
現在も観測中で、測量業務と変状の遠隔自動監視を行っています。

今回は定期的に行っている現地観測データ回収に同行しました。

現場に同行します!

コンサルタント部の朝礼に出席してから車で現場に向かいます。
気温30度超えの8月、朝礼で熱中症の注意喚起があるほど暑い日の現場デビューになりました。

車で山道を登って現場に到着。今回の現場はこちらです。

草木が生い茂っていて道が全くないような急斜面・・・
この斜面を下りながら(帰りは上りながら)現地観測、データ回収をします。

設置してある計測器は、地表伸縮計が3か所、傾斜計が6か所、パイプひずみ計及び地下水計が7か所でした。それに加えて、計測データを各計測器から集め、データセンターに送信する役割を持つ親機が2台あります。
移動しながらのデータ回収はとても大変で、急斜面に慣れていないので足を滑らせながら(?)進みました。

地面が見えない急斜面は途中ぬかるんでいるところもあり、とても過酷・・・(地すべり地には湧き水がよく発生するそうです。)

ちなみに1番下まで降りると地すべりがあった斜面と道路の間に大型土のうがありました。

1つ約1トン(!)あるのでトン袋と呼ばれているそうです。この土のうが道路に土が流れるのを防いでいます。

計測器をご紹介します!

今回の現場に設置されていた3種類の計測器をご紹介します。

① 地表伸縮計

1つ目の計測器は、斜面に設置されていた地表伸縮計です。伸縮計は地すべりの移動状況の把握に使用される計測器です。
2本の杭を打ち、片方には伸縮計を設置し、そこからもう片方の杭までインバー線という特殊合金線を張ります。

こちらが実際に設置してあった伸縮計です。

塩ビ管はインバー線を保護するためのものだそうです。
建設業界では定番の計測器でしょうか?新入社員の私は今回初めて見ることができました。

この計測器は設置場所がとても大切で、2本の杭両方を地すべりが起きている場所に打ってしまうと、装置全てが一緒に動いてしまいデータがうまく取れません。
片方の杭は地すべりが起きているところ、もう片方の杭は地すべりが起きていないところに打つことでインバー線が引っ張られ、移動状況が読み取れます。
設置場所は、技術者が現場をみて決めますが、経験から地すべりの場所を推測するので誰でもできるわけではなく、高い技術力が不可欠です。

また、インバー線は塩ビ管で保護されてはいますが、塩ビ管を設置できない場所では剥き出しなので、枝が落ちてきたり動物が引っかかったりすることでデータに影響してしまうそうです。(実際、メールでアラートが飛んできたので技術員が現場に急行すると、異常はなく鹿?がインバー線に触れたことが原因だったというようなこともあったようです。)

②傾斜計

2つ目の計測器は、現場の至るところに設置されていた傾斜計です。「ぐらロイド(広域傾斜検知)」という名前の傾斜計を使用しています。

ぐらロイドには、地すべりの恐れがある広域エリアに設置される子機と、子機からデータを集める親機があります。
こちらがぐらロイドの子機です。

今回の現場には6台設置されています。この子機が傾斜を検知し、無線で親機にデータを飛ばします。傾斜の度合いだけでなく、方向も検知することができます。

こちらがぐらロイドの親機です。

子機から親機に飛ばされたデータはデータセンターに送信され、クラウド上で遠隔監視が可能になります。警戒値を超えた際には、メールで技術員に通知することもできます。

そのため問題発生時には、当社の技術員がすぐに現場に急行できるようになっています!

③パイプひずみ計及び地下水計

3つ目の計測器は、ボーリング調査の際にできたボーリング孔に挿入されていたパイプひずみ計及び地下水計です。
パイプひずみ計は、塩ビパイプにひずみを測定するセンサであるひずみゲージが取り付けられた測定器です。塩ビパイプを地すべり発生地点に埋設すると、外力がかかることでパイプが変形します。
この変形からひずみ値を出力することができます。パイプひずみ計は高感度なので、小さな動きも検出することができるそうです。

さらに、このパイプひずみ計の中には水位計も挿入されていました。
地すべりと地下水は密接な関係があるため、とても重要なデータになりそうです。

回収したデータを見ます!

現場から帰社したあと、回収したぐらロイドのデータを見せていただきました。
こちらがぐらロイドの計測結果です。

ぐらロイドはx軸とy軸の倒れ具合、及びそれを足し合わせた倒れ具合の数値を出すことができます。
その中でも上図で示している数値は、x軸とy軸を足し合わせた倒れ具合になっています。
今回は6つの子機を設置しているので傾斜計6まであり、数値が大きいほど倒れ具合も大きいということになります。

また、ぐらロイドは計測だけでなく、警戒値を超えた際にはアラートを出すこともできます。
例えば5度を警戒レベルとして設定した場合には、結果の値が5度以上を示すとリアルタイムで技術員に通達が行くそうです。
上図の場合は、傾斜計2と傾斜計4が5度を超えています。

リアルタイムのアラートだけでなく、このデータを技術員が評価・分析して地すべりの状況を読み取ります

さいごに

今回は、コンサルタント部の「災害関連緊急地すべり防止事業」にかかわる地すべり調査の現場に同行しました。
現場では斜面を下りたり上ったりと大変でしたが、災害の多い日本において非常に社会貢献度が高い業務だと思います。
遠隔監視も活用しており、迅速な対応を可能にするシステムが印象的でした。
測定器の設置やデータの分析・評価についても聞くことができ、とても貴重な現場デビューになりました!


今回の現場を担当している技術員で、丁寧に教えて下さったコンサルタント部の垣内さんです。
暑い中、ありがとうございました!


土木管理総合試験所では、高い技術力で人々の暮らしの安心・安全を守っています。
​​​​​​​コンサルタント部 地すべり調査 に関してはこちらをご覧ください。

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光本 榛名
光本 榛名
部署:マーケティング部

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