液性限界・塑性限界試験は、土木や建築分野で幅広く使用されます。建設工事の設計では、道路、橋梁、建築物などの工事において、土の流動性や変形性を評価するために使用されます。液性限界・塑性限界試験の結果は、土の安定性や変形性を理解し設計に必要な土の強度パラメータを求めるための基礎データとなります。
地震工学の観点では、地盤液状化現象に関する研究において液状化の発生可能性を評価するために使用されます。
環境工学の観点では、土の粘着性や流動性を評価し土壌の汚染物質の拡散や流出のシミュレーションなどにも使用されます。
液性限界・塑性限界試験は、日本産業規格JIS A 1205に基づき、土が液体の状態に移る時の含水比(液性限界(WL))及び、土が塑性状態から半固体状に移るときの含水比(塑性限界(Wp))を求める試験です。
この試験の結果は、塑性指数(IP)を算出することにより、土の物理的性質を推定することや、塑性図を用いた土の分類に利用されます。
この試験の結果は、土の細粒分の分類に最も多く利用されています。例えば、シルトと粘土を塑性図上で分類することができます。また、有機質土と火山灰質粘性土は観察で分類することもできます。
液性限界が大きくなるほど土の圧縮性が増加し、塑性指数が大きくなるほど粘性が増加するため、このような分類が可能となります。この他、液性限界から、圧縮指数や圧密係数の推定にも利用されるなど、幅広く使用されています。
黄銅皿を使用し、最大厚さ1cmとなるように試料を入れ溝切りゲージで中心線を引き1秒間に2回落下させ中心線の溝約1.5cm合流した時の落下回数を記録し、落下回数25回に相当する含水比が液性限界となります。
また、団子状にした試料を手の平で丸め、楕円形のひも状にし3mmのひもにします。この3mmのひもが切れ切れになった状態の土を集めて含水比を測定します。
その時の含水比が塑性限界となります。
細粒土は、含水量の多少によりドロドロした液体状、ネバネバした塑性体状、ボロボロとした半固体状、さらにカチカチの固体状になります。このような土の含水量の変化による状態の変化や変形に対する抵抗の大小を総称してコンシステンシーといい、練返した細粒土のそれらの状態の変化する境界の含水比をそれぞれ液性限界(Liquid Limit:wLまたはLL)、塑性限界(Plastic Limit:wPまたはPL)、収縮限界(Shrinkage Limit:wSまたはSL)と呼びます。これらを総称してコンシステンシー限界といい、以下のように定義されています。
a.液性限界wL(%):土が塑性状から液状に移るときの境界の含水比をいう。
b.塑性限界wP(%):土が塑性状から半固体状に移るときの境界の含水比をいう。
c.収縮限界wS(%):土の含水比をある量以下に減じてもその体積が減少しない状態の含水比をいう。
自動試料分取装置という「人に代わって土質試験の前処理をするロボット」を開発し導入しています。
土の繰返し非排水三軸試験
地震で揺れた地盤がどの程度液状化しやすいかの指標を得る試験です。
平日 8:30-17:30
© 2001-2024 C.E.Management Integrated Laboratory Co. Ltd.