近年、地震や自然災害が頻発する中で、地盤の安定性を評価することはますます重要になっています。
土の繰返し非排水三軸試験は、地盤の安定性を評価するために行われる試験の一種であり、地震で揺れた地盤がどの程度液状化しやすいか※の指標を得ることを目的とします。
本試験の結果を用いて地震などの振動が加わったときに地盤がどのように変形するかを予測することができます。
※ 液状化とは、地下水で飽和された砂地盤が地震による振動を受けた場合に地盤が液体状になる現象です。
地震発生時に生じる繰り返し応力は不規則であることから室内試験で再現することは不可能です。
そのため、土の繰返し非排水三軸試験は、公益社団法人地盤工学会JGS0541-2009を用いて、等方圧密した供試体の軸方向に繰返し荷重を非排水条件で載荷して液状化強度特性を求めます。
試験では一定の大きさで繰り返し荷重を載荷しますが、一定の大きさであっても供試体内部の過剰間隙水圧は上昇を続け、土粒子の噛み合わせが外れることで液状化が発生します。
供試体作製~飽和~圧密過程までは通常の三軸圧縮試験と概ね共通していますが、載荷過程において圧縮荷重と伸張荷重を交互に連続して載荷するのが「土の繰返し非排水三軸試験」の特徴です。
対象土質:飽和砂質土※1
試験の供試体寸法:直径50mm・高さ100mm
※1 砂質土とは、砂分からなる土です。基本的に液状化の対象となっている砂質土を対象土質としていますが、他土質においても試験実施は可能です。
試験は繰返し荷重を変化させて4回行い、軸ひずみが10%まで(一般的には5%)となるまで試験を行います。
繰返し載荷回数が20回となるときの繰返し応力振幅比をグラフから読み取り、それを「液状化強度比RL20」として求めます。
試験値の活用方法: 液状化強度比RL(繰返し回数20回時の応力振幅比)で、液状化判定(FL法)に用いることができます。
地盤の液状化に影響を及ぼす要因には以下のものがあります。
液性限界・塑性限界試験
土が液体の状態に移る時の含水比( 液性限界(WL)) 及び、土が塑性状態から半固体状に移るときの含水比( 塑性限界(Wp)) を求める試験です。
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