【土質試験(室内)】岩石の弾性波速度計測

岩石の動的特性の一つとして硬軟の度合いを知り岩盤の剛性を評価

岩石の弾性波速度とは

岩石の弾性波速度(パルス透過法による岩石の超音波速度)は、岩石の超音波伝播速度を測定する試験です。
岩石の超音波速度は、岩石の特性を表わす指標として使用され、コアの品質評価および岩盤の良好度や物性のばらつきに関する評価のひとつの指標として利用します。また、原位置調査の結果と合わせて地震応答解析に使用する岩盤の剛性や基礎の沈下量評価に使用する岩盤の剛性などの評価に資する基礎資料を提供します。なお、コンクリートコアの品質評価にも適用可能な調査です。

岩石の弾性波速度計測によって求められる値は、岩石の弾性定数であり、主に以下の2つの値が求められます。

圧縮波速度(P波速度):岩石内部を圧縮波が伝播する速度であり、岩石の密度や岩石内の空隙率、岩石の結晶構造などに依存します。
せん断波速度(S波速度):岩石内部をせん断波が伝播する速度であり、岩石の弾性定数の剛性率に依存します。


1.試験概要

測定状況

試験の概要

岩石の弾性波速度計測は、公益社団法人地盤工学会JGS 2564に基づき計測します。

本試験の規格は、以前は「パルス透過法による岩石の超音波速度測定方法(JGS 2110)」に基づき計測していましたが、2020年に現在の「岩石の弾性波速度計測方法(JGS 2564)」に変更されました。

その際に用語も下記の通り変更されています。

動ポアソン比 → ポアソン比
動せん断弾性係数 →せん断剛性率
動弾性係数 →ヤング率


試験方法

① 供試体
供試体は、円柱もしくは直方体とし直径の0.5~2.5 倍の高さを確保します。
供試体の端面は平滑で、互いに平行であり側面に垂直になるようにしたものを使用します。
② 試験
供試体の両側に発振子と受振子を密着させ、発振子で超音波を発生させて受振子で受信してその間の弾性波の透過時間を計ります。

供試体
測定結果

計算方法

P波速度Vp及びS波速度Vsは次式で算出します。

 Vp=103 ×(L/Tp)  (m/s)
 Vs=103 ×(L/Ts)  (m/s)
 L:供試体の長さ(mm)
 Tp:P波の透過時間(µs)
 Ts:S波の透過時間(µs)

これより、ポアソン比(動ポアソン比)、せん断剛性率(動せん断弾性係数)及びヤング率(動弾性係数)を算出することができます。

P波測定時は振動子にグリース、親水性クリーム、ワセリン、グリセリンなどの粘性のある接着剤を使用し密着させます。(S波に比べP波は圧着だけでは超音波の受信した初動の立ち上がりが読み取りにくい)
S波測定の場合は接着剤を用いず圧着だけによることがほとんどです。
P波S波ともに密着させるときの圧力は100kN/m2を超えないようにします。


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