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【ブログ】SIP第三期 DKの取組み ~協力機関としての取組み・将来像とは~

DKブログでは、戦略的イノベーション創造プログラム(通称SIP(エスアイピー)(以下SIP))第三期における弊社の取組みを連載しています。
前回のブログではSIPの概要や社会実装戦略をご紹介しました。
今回は協力機関としてSIPに参画している弊社の取組みについて、弊社社会インフラ部門の八木澤取締役にお伺いしました。

▲ 土木管理総合試験所 社会インフラ部門 担当取締役 八木澤

SIP第三期参画の経緯と研究体制

―土木管理総合試験所がSIPに参画することになった経緯について教えてください。

八木澤:弊社は2014年に始まった第一期SIPに参画し、その一環で東京大学と産学連携を行っています。第二期ではインフラ維持管理分野がテーマとして対象外になってしまいましたが、第三期で改めて対象となり、東京大学の協力機関として参画させていただいています。
 
―SIP第三期の研究体制の中で、弊社の立ち位置・役割は何でしょうか?

八木澤:産学一体となって研究開発をしているというのはもちろんですが、その一方で「社会実装」という重要な立ち位置・役割を担っています。そのため、研究開発によって構築された仕組みを実際に社会で展開・活用し、継続的に成果を上げていくところまでを担当しています。
 
―「社会実装」の実現のためには、どのような取組みをしていますか?

八木澤:SIPは5年間で区切りになるのですが、弊社としてはそこで終了というわけではなく、技術をアップデートしながら継続的に運用していかなくてはいけません。その体制づくりのために技術の継承・技術者の育成も同時に進めています。

SIP第三期での弊社の取組み

 ―SIP第三期での取組みを可能な範囲で教えてください。

八木澤:弊社の社員を受託研究員として東京大学の研究室に受け入れをお願いし、道路全般のメンテナンスについて、先進的かつ効率的・経済的に回す仕組みの構築に取り組んでいます。

 ―「道路全般のメンテナンス」について、もう少し詳しくお伺いできますか?

八木澤:具体的には「点検・診断・評価」の部分になります。その中でも、弊社が入っているチームでは「点検」の部分を主に研究開発しているイメージです。内容としては、車載式3Dレーダー探査車を用いた道路インフラ内部の変状や予兆の点検・診断に取り組んでいます。

▲  車載式3Dレーダー探査車

ー社員の方が受託研究員として研究開発で力を発揮するために、会社として何かサポートはしているのでしょうか?

八木澤:一般的な業務委託を請負う部署とは別に、技術開発を専門的に行う部署「DKCラボ」を立ち上げ、研究開発に集中できる環境整備を進めています。社会実装には「各ユーザーに活用を促して導入していただくこと」と「開発した技術を自社で運用できる技術者の育成」の2つの目的があるので、双方の技術者育成を行っています。

―SIP第三期に参画していることについて、意気込みを教えてください。

八木澤:道路インフラの維持管理のDX※は、日本を支える土台として極めて重要な課題ですが、課題を理解しつつも財政的に問題を抱えているユーザーが多いことも確かです。
そのためSIP第三期では、社会実装の2軸を視野に入れながら費用対効果にフォーカスし、ユーザーが期待する結果を10倍、100倍以上に上回るコンサルティングができるような技術開発を行っていきます。

※DX(デジタルトランスフォーメーション):企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデ ルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。(経済産業省 デジタルガバナンス・コード2.0より引用 )

弊社の将来像と展望

―SIP第三期の取組みを通して、弊社としてはどのような将来像を目指していますか?

八木澤:今回構築する道路全般のメンテナンスをサービスとして運用できるようにしていきたいです。調査・診断・評価・提案までの全ての運用を弊社で請負うという状態を目指します。

―サービスとして運用していくためには、具体的にどのような取組みをする予定でしょうか?

八木澤:弊社が調査・診断部分について技術開発を行っていく一方で、評価・提案については他のチームが開発を進める状況にあります。SIP第一期では各チームが単独で成果を提供してきた状況でしたが、第三期ではワンチームでトータルサービスを提供できる体制ならびに仕組み作りが重要だと考えています。そのため、チーム全体でケイパビリティを上げられるよう提案していきたいと思います。

出典:スマートインフラマネジメントシステムの構築

―「インフラメンテナンス」というテーマ全体に対しては、どのような展望を持っていますか?

八木澤:まずは何より安心・安全ですね。トンネルの崩落や道路の陥没、落橋といったインフラにおける災害を無くしていきたいと思っています。
加えて、これからさらに人手が減っていくと予想されますが、人手がかかる点検作業が非常に多いのが現状です。そういった課題にも対応ができるよう、「無人化点検」を作っていきたいと思います。

―最後に、土木管理総合試験所としてのインフラメンテナンスへの取組み予定を教えてください。

八木澤:SIP第三期にて弊社が取組む診断方法は「車両」を活用した高速診断技術ですが、車両が立入れない場所についてはどうするのか、といった疑問も残ります。そのため、車で調査できない場合や人が立ち入りできない構造物に対しては、UAVに代表されるような比較的広範囲を山間部も含めて調査できるような技術開発を同時並行で進めていきたいと考えています。

▲ UAVによる調査

― 改めて、今回インタビューにお答えいただいたのは弊社 社会インフラ部門の八木澤取締役でした。ありがとうございました。


弊社では、先進的なメンテナンスサイクルの構築および社会実装に向けて、引き続き全社一丸となって取り組んでまいります。



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