【土質試験(室内)】土の段階載荷による圧密試験

粘性土の圧密降伏応力、圧密沈下量、沈下速度、透水性等を知り、構造物建設の際の対策の必要性や軟弱地盤対策工法の設計に活用

土の段階載荷による圧密試験とは

実地盤の上に構築する盛土などの土構造物、コンクリート構造物、建築物等の建設に際し、沈下等の予測や対策工の必要性可否、対策工の工法などを設計するためのデータを取得する試験が「圧密試験」です。
本試験は、主に粘性土を含む地盤上に構造物を建設する際に実施し、杭工やバーチカルドレーン工法・載荷重工法等の軟弱地盤対策工法の設計に利用します。

1.試験概要

圧密試験装置

試験の概要

土の段階載荷による圧密試験は、JIS A 1217(JGS 0411)で規定され、室内環境で専用実験装置を用いて行います。

土の段階載荷による圧密試験は、実地盤から採取した乱さない試料を用いて沈下量や沈下時間の推定を求めるため、「圧密定数」や「圧密降伏応力」を求めます。

試験方法は、直径6cm、高さ2cmの供試体を用いて、側方変位を拘束し上下面の排水を許した状態で初期値から2倍ずつ段階的に24時間載荷し、時間と圧密量を専用装置で測定します。


試験結果

本試験から得られる圧縮性と圧密速度から、飽和粘性土地盤の沈下量と沈下時間の推定に利用されます。
また、圧密降伏応力と地盤内の有効土被り圧との比較から、対象地盤が、過圧密粘土なのか正規圧密粘土なのかの判定に利用されます。

圧密降伏応力とは
粘土の圧密過程において弾性的な過圧密領域から塑性的な正規圧密領域に移行する境界点の応力です。

過圧密粘土とは
現在の土かぶり圧以上の圧密荷重を過去に受けたことのある粘土のこと。
一般に正規圧密粘土に比べ圧縮性が小さく、せん断強度が大きいことが特徴です。

正規圧密粘土とは
現在の有効土被り圧が粘土の圧密履歴の中で最大の圧密圧力である粘土のこと。
沖積粘土のような体積年代の若い層が正規圧密状態となっていることが多く、間隙比が大きく圧縮性も大きいことが特徴です。
正規圧密状態では間隙比は圧密圧力の対数にほぼ比例して減少します。


圧密試験の参考値

粘土の圧縮性と圧密速度は、主として塑性に依存し、高塑性の粘土ほど圧縮性は大きく、圧密速度は遅い傾向にあります。
圧縮性を表す1つの指標である圧縮指数は、液性限界と強い相関関係を有します。


【参考】圧密試験と三軸圧縮試験の違いって?

圧密試験は「地盤の沈下量計算」等に使う圧密定数と圧密降伏応力を求め「土の圧縮性」を判断します。
三軸圧縮試験は「斜面の安定計算」等に使う「内部摩擦角と粘着力」を求め「土のせん断強さ」を判断します。


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2.関連試験

三軸圧縮試験
三軸圧縮試験(静的)円柱供試体をいくつかの側面から液圧(セル圧)をかけた状態で、軸方向に圧縮し、破壊させ、セル圧と最大圧縮強さの関係から強度定数を求めます。 盛土や斜面などの安定解析および地盤の支持力の推定などに広く利用されます。

土粒子の密度試験
土の個体部分を構成する無機物および有機物の単立体積当りの質量を求める試験です。この質量は、土の基本的性質である間隙比や飽和度を求める場合や、粒度試験における沈降分析にて必要となる値です。

粒度試験
粒度分布を調べる試験です。 試験結果は地盤材料の工学的分類・土の締固め特性・透水性・液状化強度などの力学的性質の推定・建設材料としての適正の判定等に使用されます。

液性限界・塑性限界試験
土が液体の状態に移る時の含水比( 液性限界(WL)) 及び、土が塑性状態から半固体状に移るときの含水比( 塑性限界(Wp)) を求める試験です。塑性指数(IP)から、土の物理的性質を推定することや、塑性図を用いた土の分類などに利用されます。

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