配合試験

使用予定の固化材の設計強度を満足する添加量を決定し、環境基準に適合するか確認します

配合試験とは

構造物の基礎や盛土、道路などの地盤が設計値や設計条件を満たさないなど軟弱な場合には、地盤改良を行います。
地盤改良には主に、軟弱土を除去して良質土に置き換える「置換え工法」と、現地土に固化材を添加・撹拌して土質を改善する「安定処理工法」があります。
配合試験は、現場代理人と発注者の協議により安定処理工法が採用された場合に、対象地盤の設計強度を確保するための適正な固化材添加量を求めるために実施される試験です。
固化材は、主に「セメント系固化材」と「石灰系固化材」に分類され、一般的に砂質土にはセメント系固化材、粘性土には石灰系固化材が有効とされていますが、それぞれの特性を考慮して選定します。
また、セメント系固化材を使用する場合は六価クロムが溶け出すことがあるため、六価クロム溶出試験が必要になります。


安定処理工法による地盤改良のメリット

  • 現地土に固化材を混ぜる改良工法のため、現地土を搬出することなく利用できます
  • 主な材料が土、セメント、水であるため、一般的には材料費を抑えることができます

1.配合試験の概要

試験概要

現地の地盤が軟弱と判定された場合には、土の性状を確認し、改良工法の選定を行います。

安定処理工法が採用された場合には、適正な固化材添加量を求めるために配合試験を実施します。

安定処理にセメント系固化材を使用した場合は、六価クロム溶出試験もあわせて実施し、環境基準を確認します。

六価クロム溶出試験が合格の場合は施工となりますが、不合格の場合は固化材の再検討が必要となり、再度配合試験を実施します。


軟弱土判定

地盤改良の必要性については、軟弱土判定により確認します。
判定方法は現場状況により様々ですが、次のようなケースが多く見られます。

  • 設計段階の地質調査(ボーリング、サウンディングなど)により軟弱層が確認された場合
  • 設計確認試験(平板載荷試験、キャスポル、サウンディングなど)により設計値に対して不適合となった場合

現地土の性状確認

最適な改良方法を選定するために土質試験を実施し、土の性状を確認します。得られた土質条件や施工条件、経済性などの観点をもとに工法を選定します。


配合試験

試験計画

安定処理工法が採用された場合には、改良の目的や土質との適合性に応じて使用する固化材を選定します。土質との適合性を確認する際には、下記(表1)のような土質試験を実施します。また、安定処理工法で使われる固化材としては「セメント系固化材」と「石灰系固化材」が代表的で、それぞれ下記(表2)のような特性があります。特性を考慮したうえで固化材を選定後、一般的には3段階の添加量(低添加・中添加・高添加)で試験計画を立てます。

▼ 表1 固化材の選定のために実施する土質試験例

試験項目

試験基準

試験概要

粒度試験

JIS A 1204

粒度試験は、土の物理的性質を評価する試験のうちの1つです。ふるい分けや沈降分析によって、土の粒子サイズの比率を測定します。

含水比試験

JIS A 1203

含水比とは、土粒子の質量に対する間隙に含まれる水の質量を表す指標です。試料を一定質量になるまで恒温乾燥炉で乾燥させ、乾燥前後の質量から含水比を算出します。

有機不純物試験

JIS A 1105

有機不純物試験とは、土に含まれる有機不純物の有無を判定するために実施される試験です。試料を水酸化ナトリウム溶液と反応させ、生成された溶液の色を標準色と比較することで含有有無を判定します。


▼ 表2 固化材の特性

種類

特性

セメント系固化材

一般的には砂質土に対して有効とされています。セメントの水和反応により早期に強度を確保できるメリットがありますが、六価クロムが含まれている場合があるため、六価クロム溶出試験を行う必要があります※。

※ セメント製造では焼成工程の高温条件により、原材料中の三価クロムが酸化され、六価クロムが生成し得ることが知られています。

石灰系固化材

一般的には粘性土に対して有効とされています。中長期的に強度が増加していく特徴があるため、現場の養生可能期間を考慮する必要があります※。

※ 石灰による改良は、吸水作用やイオン交換反応が短期的に生じ、次いで土中の粘土鉱物とのポゾラン硬化反応による硬化が中長期的に進行することで強度増加に繋がります。

参考文献:日本石灰協会「石灰による地盤改良マニュアル」


試料作製

計画に基づき、現地で採取した地盤改良対象土に固化材を混合して供試体を作製し、所定の日数養生します。養生日数は、設計条件や使用する固化材の種類によって異なります。


強度試験

所定の養生期間を経た安定処理土の供試体を用いて強度試験を実施します。改良目的に応じて必要な試験項目(表3)を選定します。

▼ 表3 配合試験で実施する強度試験例

試験項目

試験基準

改良目的

試験概要

一軸圧縮試験
JIS A 1216
構造物・建築基礎、液状化対策仮設道路、路盤改良

土の圧縮強度を評価するために実施される試験です。自立する供試体を拘束圧が作用しない状態で圧縮し、最大圧縮応力から一軸圧縮強さを算出します。

JIS A 1211
路床改良

土の路床支持力を評価するために実施される試験です。専用の試験装置を用いた貫入試験の結果からCBR値を算出します。

コーン指数試験

JIS A 1228

発生土改良、トラフィカビリティ

土の貫入抵抗力を評価するために実施される試験です。貫入装置を一定の速度で貫入させたときの抵抗力からコーン指数を算出します。

三軸圧縮試験

JGS 0521~0523

高盛土、補強土壁の盛土材料、堤体盛土

土のせん断強さや粘着力を評価するために実施される試験です。供試体を拘束した状態で圧縮/破壊し、拘束圧力と最大圧縮強さの関係から強度定数を算出します。

透水試験

JIS A 1218

ため池の堤体、河川土工

土の透水性(水の通しやすさ)を評価するために実施される試験です。定水位法や変水位法の結果から透水係数を算出します。


六価クロム溶出試験

六価クロム溶出試験は、セメント系固化材を採用した場合に実施します※。
セメント系固化材には六価クロムが含まれているため、セメント系固化材を添加した改良土を地盤改良に用いた場合、条件によっては六価クロムが溶け出すことがあります。そのため、事前の六価クロム溶出試験による使用可否の確認が必要となる場合があります。

強度試験等に使用した供試体から試料を確保し、環境庁告示第46号に基づいて試験を実施します。溶出量が環境基準値(0.05mg/L)を超過した場合は、その固化材は強度が出ていても使用不可と判定します。

また、六価クロム低減型の固化材が使用されることもありますが、固化材と土壌の性質の相性によっては六価クロムが基準値超過の量で溶出することがあるため、注意が必要です。

※ 石灰系固化材であっても、セメント成分を含有している場合は六価クロム溶出試験の対象となります。


試験結果

強度試験の結果と固化材の添加量の相関関係を整理することで、所定の強度を確保できる固化材の添加量を決定します。
強度が得られない場合や六価クロムの溶出量が環境基準を超過した場合には、固化材の変更を検討します。


2.当社が支援できること

当社では、地盤改良に必要な調査・試験について、事前の軟弱土判定から現地調査、配合試験、六価クロム溶出試験、改良後の品質管理試験や地盤改良工事まで一貫して実施可能です。
また、砂防ソイルセメント(INSEM工法)の配合試験にも対応しています。
全国各地でお客様のご要望に合わせたサービスを提供しておりますので、地盤改良における配合試験でお困りの際は、お気軽にご相談ください。












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