日本の下水道は、1960年代以降の高度経済成長期に急速に整備され、都市生活や公衆衛生を支える基幹インフラとして発展してきました。一方で、整備から30年、40年が経過した施設も多く、老朽化の進行が大きな課題となっています。近年では、2025年に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故のように、下水管の老朽化などが要因とされる事例も見られ、重大事故へと発展するリスクが顕在化しています。
このような背景から、下水道施設の健全性を把握し、計画的な維持管理や改築につなげる取り組みが求められています。事故を未然に防ぎ、安全な社会基盤を維持するためには、継続的な点検・調査の実施が不可欠です。
参考資料:国土交通省 下水道の維持管理
※下水道管路施設の詳細な点検・調査については、こちらをご覧ください。
当社では、現地および試験室において、目的に応じた各種試験・調査を実施しています。
調査目的や施設条件に応じて、最適な試験項目を選定いたします。
【必要資料】
試験内容 | 適用目的 |
トータルステーションやコンベックスなどにより、人孔間距離・管渠延長・管渠勾配・マンホールと管渠接続部までの距離を測定する | |
躯体厚調査 | コンクリートドリルで躯体を貫通させ構造物の躯体厚さを測定する |
はつり調査 | 鉄筋コンクリート内部の鋼材を露出させ、鉄筋径・コンクリートかぶり厚さ・配筋ピッチ(レーダ)・鉄筋腐食などを調査する |
反発度からコンクリートの強度を推定。簡易的な強度評価のため、参考値として扱う | |
コンクリート構造物中に配置された鉄筋の位置を、電磁波レーダ法を用いて探査する。配筋状態の確認および、コア採取やはつり調査位置の選定にも活用できる | |
鉄筋腐食度調査 | はつり作業やコンクリートコア削孔等により鉄筋を露出させ、鉄筋径・かぶり・腐食状況を目視確認。腐食の進行度合いに応じて補修計画の立案に活用する |
潜行目視・ | 潜行目視・テレビカメラにより、腐食・たるみ・破損などの劣化状況や、堆積物の有無およびその状態を診断する |
水位・流速測定 | 函渠内を流下する水の水位及び流速を常時測定(10分間隔)することで、函渠の断面積から流量を算出し、特定の期間における流量の変化を把握する |
ドリル中性化試験 | 電動ドリルで躯体を削孔した試料に、フェノールフタレイン溶液を用いて中性化深さを測定する |
表面pH試験 | 構造物のコンクリート表面のpHを測定し、表層の腐食レベルを評価する |
仕上げ材や断熱材中のアスベスト有無を確認する |
試験内容 | 適用目的 |
コンクリートの材質強度を確認する | |
コンクリート表面から内部の中性化深さを求め、中性化による鉄筋腐食の影響度を評価する | |
硫黄浸透深さ測定 | 硫黄の浸透深さを測定することで、硫黄によるコンクリート及び鉄筋の劣化度を評価する |
コンクリートの強度を把握することで、現時点において構造物が設計基準強度を満たしているかを確認することができます。
また、各種測量・計測により、構造物の寸法や形状に関する情報を取得することが可能です。既存データがある場合は、設計時との誤差を把握することもできます。
さらに、中性化試験などの結果を、鉄筋のかぶり厚や腐食状況と併せて評価することで、鉄筋腐食などの劣化に与える影響を推定することが可能です。

下水道関連施設に対し、当社では北海道から沖縄までの全国ネットワークを活かし、下水道管路施設、水処理施設、ポンプ施設など各種施設を対象に、幅広い試験・調査を実施するとともに、構造物の補修設計等に必要な参考資料の取りまとめに貢献いたします。
現地調査においては、不可欠な「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」をはじめ、コンクリート診断士やコンクリート技士などの有資格者が対応し、腐食状況、劣化度、耐震性などを把握します。
さらに、計画書の作成、道路使用許可申請、周辺住民への周知対応といった関連業務についても、一貫して対応しています。

現場条件に応じた複合的な提案を行っておりますので、下水道施設に関する点検・調査・診断についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
当社では下水道施設のほか、各種構造物の維持管理における点検・調査・診断を支援しています。
複合的要因によるコンクリート劣化の分析も実施しております。
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