
【ブログ】現場体験取材12~土質試験のサンプリング編~
現場体験取材シリーズでは、当社の様々な現場を取材・紹介しています。
第12回となる今回は、GEOコンサルタント部の「土質試験のサンプリング」の現場に行ってきました。
現場体験取材シリーズ 過去ブログ は 下記リンクよりご覧ください。
サンプリングとは
サンプリングとは、一般的には土木・建築現場において、その場にある現場発生土などの土砂を採取する作業であり、採取した試料を試験室へ持ち込んで、様々な物理特性や力学特性を明確にするために土質試験を行います。
試験室にて得られた結果は、現場に応じた基準(締固め度等)を満たしているかの判定に用いられます。さらに、試料から把握した土質の特性に基づいて分類や適用用途の判断にも役立ち、現場発生土の適正な利用促進に繋げることができる重要な資料となります。
なお、土質試験に限らず、以下のような場面でもサンプリングを行っています。
- 環境影響調査を目的とした土壌分析試料、アスベスト建材試料など
- 劣化状態や進行度合いを評価・把握するための構造物劣化診断用のコア試料など
現場レポート
それでは現場レポートをお届けします!
今回は道路工事を行う現場に伺いました。
お客様からは、設計図面(標準横断図)に記載された舗装構成のとおりに工事を進めて問題ないか、確認したいとご相談を受けました。
一般的に舗装構成は、アスファルト(表層・基層)、上層路盤、下層路盤、路床で構成されています。
舗装構成を検討するにあたっては、路床のCBR値(%)が必要になります。このCBR値(%)を算出するためには、路床の土砂を採取し、CBR試験を実施する必要があります。
なお、路床内の土質が変わるごとに採取をするなど、採取時にノウハウが求められる場合があります。
▼ CBR試験の詳細はこちら
事前準備
使用する道具:ビニール袋、スコップ、軍手等の手袋、ヘルメット、測量ロッド、コンベックス等
現場で協力して頂いた事:バックホウによる掘削
▲ 採取道具
採取開始
現場到着後、現場代理人の方から現場状況を説明して頂き、サンプリングの場所を決定しました。
▲ サンプリング位置
▲ 採取した路床の試料
採取終了
採取した試料は、自然含水比の状態を変化させないようビニール袋に密封し、速やかに試験室へ搬入します。試料の調整を行った後、CBR試験を実施し、設計図面に記載されている設計CBRを満たしているかを確認します。
設計値を満足していれば、そのまま工事を進めても問題ありませんが、満足していない場合は対策が必要となります。
具体的には、路床改良厚を算出し、「良質材料による置換」や「固化材による改良」などの方法が検討されます。
現場代理人の方が発注者と協議のうえ、「固化材による改良」が選択された場合には、追加の配合試験を実施し、必要な固化材の添加量を決定します。
弊社では、各都道府県の様式やお客様のご要望を反映した報告書の作成が可能です。
現場対応からコンサルティングまで行いますので、どうぞお気軽にご相談ください。
最後に
今回は、CBR試験のサンプリング現場に伺いました。
作業を円滑に進めるためには、現場代理人の方とのコミュニケーションが非常に重要であることを改めて実感しました。
また、現場はスペースが限られていましたが、試料運搬の負担を考慮し、採取位置の近くまで車両を寄せられるよう現場代理人の方にご配慮いただきました。
引き続き、温かいご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、今回の現場で作業されていた技術員をご紹介します。
GEOコンサルタント部総合試験課(中日本)
永山 佳輝さん
2013年土木管理総合試験所へ入社後、長野本社を中心に全国各地の現場・土質試験業務に携わりながら、豊富な現場経験と技術的判断力を培ってきた。現在は若手技術者の育成にも力を注いでいる。
当社では、様々な試験・調査を承っております。
お打合せ、お見積、ご提案まで対応いたしますので、お気軽にご相談ください。