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【ブログ】現場体験取材11~現場密度試験編~

現場体験取材シリーズでは、当社の様々な現場を取材・紹介しています。
第11回となる今回は、GEOコンサルタント部の「現場密度試験」の現場に行ってきました。


現場密度試験とは

土の密度とは、土粒子、空気、および水の割合によって決まる土の質量密度のことです。具体的には、単位体積あたりの土の質量を指します。土の密度が高いほど、土粒子が密に詰まっていることを意味します。

現場密度試験とは、現場で直接土の密度を測定する試験です。この試験では、実際に締め固められた土の密度を測定し、「突固めによる土の締固め試験で得られる最大乾燥密度」と比較して、締固め度(%)を算出します。試験結果は、盛土の締固め管理に広く利用されるほか、土量の変化率の算出にも使用されます。現場密度試験を行うことで、土の状態を正確に把握し、適切な締固め施工を実施することが可能です。

現場密度試験にはいくつかの方法があり土質材料の最大粒径によって使い分けられます。

試験方法表

試験方法

適用範囲

砂置換法(JIS A 1214)

土質材料の最大粒径53mm

突砂法(φ15・φ25・φ30)(JGS 1611)

土質材料の最大粒径150mm

水置換法(JGS 1612)

砂置換が困難な場合

RI法(JGS 1614)

RI計器が設置可能な材料全て      

当社は現場密度試験のすべての試験方法に対応できます。

現場密度試験の詳細はこちらをご覧ください!

  【現場試験】現場密度試験|試験・調査・分析|土木管理総合試験所のサービス 現場密度試験は、現場において土の密度を直接求めるために行う試験です。事前に締固め試験で得られた値(材料データ)と比較し、締固め度(%)表します。 現場における土の密度を把握し、盛土や路床等の締固め度を求め有害な沈下発生を防ぐために有効です。お気軽にご相談ください。 株式会社土木管理総合試験所

現場レポート

今回は3つの現場で現場密度試験を実施し、密度を測定しました。


1回目
2回目
3回目
工事現場

ため池工事    

道路工事

築堤工事

試験方法  
砂置換法

砂置換法

砂置換法

材料

粘性土※1  

上層路盤の礫質土※2

粘性土、砂質土※3 

※1 粘性土:粘土を多く含む土
※2 礫質土:礫を多く含む土
※3 砂質土:砂を多く含む土

それでは、現場レポートをお届けします!

事前準備

①試験器具準備

現場に乗り込む前に現場密度試験を使用する道具を事前準備します。

現場密度試験 試験器具

▲ 試験器具

  1. ベースプレート
  2. ビニール袋
  3. ジャー
  4. 漏斗

  5. はかり

  6. 掘り道具(バール、ハンマー、ハンドスコップ)

  7. ヘルメット
  8. 軍手等の手袋

現場に到着したら、現場代理人に試験場所、試験箇所数等を確認することが必要となります。確認できたら試験機の準備を行います。

②試験機の準備

  1. 土との間に隙間が無いようにベースプレートを密着・設置する。
  2. 延長線上で3孔並べる。
  3. ジャーに砂を十分に入れて、計測値記録を間違えないようにジャーの管理番号確認する。

それでは測定を実施します!

測定開始

現場密度試験を実施する手順は下記の通りです。

① ベースプレートの穴の内側の土を、掘り道具を用いて、孔をできるだけ鉛直に乱さないように掘る。試験孔の深さは10~15cm程度である。
② 掘り出した土の全量をビニール袋に入れ、水分が飛ばないように密封する。 
③ ジャーに砂を満たした状態の質量をはかる。 (ノートに計測値記録+写真撮影)
④ ジャーをベースプレートにのせて、バルブを開く。 
⑤ 試験孔から取り出した湿潤土の質量をはかる。 (ノートに計測値記録+写真撮影)
⑥ジャーの中の砂の移動が止まってからバルブを閉じて、測定器と残った砂の質量をはかる。 (ノートに計測値記録+写真撮影)

3つの現場に同行し、一緒に試験を実施しました。同じ試験ですが現場ごとに掘った材料が異なるため、毎回新しい体験でした。

毎回作業するたびに自分が進歩していると感じます。

測定終了

試験終了後は、必要に応じて試験孔内の砂を回収したり片付けします。

含水比計算

現場から帰ってきたら、掘った土を室内試験室に持ち込み乾燥炉に入れ1日乾燥させます。
計測値を測る順番としては、

測った数値から含水比が算出されます。自然含水比を求める式は以下になります。

簡単にすると、

締固め度(%)計算

現場で取得した計測値(ジャーを満タンにした砂の質量、湿潤土の質量、残った砂の質量)及び含水比を基に、「現場密度試験で得られた密度」が計算されます。この密度と、「突固めによる土の締固め試験で得られる最大乾燥密度」と比較することで、締固め度(%)が算出され現地でどの程度締固めが行われたか管理できます。

一般的には、「現場密度試験で得られた密度」÷ 「突固めによる土の締固め試験で得られる最大乾燥密度」の比率が品質管理基準以上であることを確認することで、施工が基準を満たしているかを評価します。基準を満たさない場合は、締固め機械を使用して再度締固めを実施し、現場密度試験を行います。また、転圧施工が困難な土壌の場合には、土質改良をご提案いたします。

最後に

このたび、GEOコンサルタント部の皆さんとともに、3回にわたり現場密度試験を体験させていただきました。この試験は、土がしっかり締め固められているかを確認するもので、構造物の安全性に関わる大切な工程です。
今回の体験を通して、試験の正確さを支える現場の工夫や、トラブル時の冷静な対応力、チームでの連携の大切さを学ぶことができました。

また、試験砂や掘削した試料の運搬は想像以上に重労働でしたが、今回は車両を試験場所の近くに停められるようお客様にご配慮いただいたおかげで、大変助かりました。
今後も、正確なデータをお届けするために工夫と努力を重ねていきますので、引き続き温かいご理解とご協力をいただけますと幸いです。


最後に、今回の現場で作業されていた技術員の皆様をご紹介します。


▲ 左:永山課長、右:水越課長
GEOコンサルタント部総合試験課(中日本)
水越 彬さん
2007年土木管理総合試験所に入社後、山梨支店に配属。その後各地に異動し、現場試験業務を主に行い、毎日土質材料に向き合っている。



GEOコンサルタント部総合試験課(中日本)
髙橋 知大さん
2021年土木管理総合試験所に入社後、総合試験課に配属以降、お客様とのコミュニケーションを大切に業務を行い、部署のムードメーカーとして活躍している。



GEOコンサルタント部総合試験課(中日本)
内山 由さん

2016年土木管理総合試験所に入社後、総合試験課に配属以降、地盤調査や品質管理業務を行い、お客様に喜んでいただけるような提案をしている。


当社では、様々な試験・調査を承っております。
お打合せ、お見積、ご提案まで対応いたしますので、お気軽にご相談ください。


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